「ふ」

私たちは日々、顔や体についた汚れを落とすために洗顔や入浴をしますよね。では、顔や体と同じように皮脂や汗を分泌する頭皮はどうでしょうか？頭皮環境が乱れると、様々なトラブルを引き起こしてしまいます。その代表的なものが「ふけ」と「かゆみ」です。 では、なぜ頭皮環境は乱れてしまうのでしょうか？主な原因として、乾燥、皮脂の過剰分泌、マラセチア菌の増殖、アレルギーなどが挙げられます。 乾燥した状態が続くと、頭皮は潤いを補おうと過剰に皮脂を分泌することがあります。また、健康な頭皮にも存在するマラセチア菌は、皮脂を栄養源としているため、皮脂が過剰になると必要以上に増殖してしまいます。 これらの要因によって頭皮のバリア機能が低下すると、外部からの刺激を受けやすくなり、炎症やかゆみを引き起こしやすくなります。そして、炎症を起こした頭皮からは、通常よりも多くの角質が剥がれ落ち、これが「ふけ」として現れるのです。 つまり、ふけやかゆみは、頭皮環境の悪化を示すサインと言えるでしょう。これらの症状を放置すると、頭皮の状態が悪化し、抜け毛や薄毛につながる可能性もあります。日頃から適切なヘアケアを行い、頭皮環境を整えることが大切です。

「ふけ」は、頭皮から剥がれ落ちた古い角質が、白い粉のように見える状態を指します。誰の頭にも起こり得る現象で、特に乾燥した季節や、空気の乾燥した室内で過ごしていると目立ちやすくなります。一見、単なる乾燥や洗髪の頻度不足が原因と思われがちですが、実際には様々な要因が複雑に絡み合って発生します。 まず、頭皮は顔の皮膚と同様に、常に新しい細胞が生まれ、古い細胞が剥がれ落ちるターンオーバーを繰り返しています。健康な状態であれば、このターンオーバーは一定のサイクルで行われ、剥がれ落ちた角質は目立ちません。しかし、乾燥や紫外線、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、食生活の乱れ、睡眠不足などが重なると、ターンオーバーが乱れてしまい、角質が未熟な状態で剥がれ落ちてしまうことがあります。これが、目立つ「ふけ」として現れるのです。 さらに、「ふけ」には、頭皮に存在する常在菌の一種である「マラセチア菌」の異常増殖が関わっているケースもあります。「マラセチア菌」は、通常は皮脂を分解して頭皮環境を整える役割を担っていますが、過剰に増殖すると、頭皮に炎症を引き起こし、かゆみやフケの原因となることがあります。 このように、「ふけ」は単なる乾燥や清潔不足だけが原因ではなく、様々な要因が考えられるため、自己判断で対策するのではなく、まずは皮膚科専門医に相談し、適切なアドバイスを受けることが大切です。