鳥肌

誰もが一度は経験する「鳥肌」。これは、例えば寒い場所に出くわしたり、身の毛もよだつような恐ろしい体験をしたときに、無意識に体が反応することで起こる生理現象です。では、一体どのようなメカニズムで鳥肌は起きるのでしょうか？ 皮膚の表面をよく見ると、体毛が生えていますね。この体毛の根元には、「立毛筋」と呼ばれる小さな筋肉が存在します。普段はリラックスしている立毛筋ですが、寒さや恐怖を感じると、脳からの指令を受けて瞬時に収縮するのです。すると、立毛筋に引っ張られるようにして、毛が逆立つように立ち上がります。これが、鳥肌の正体です。 では、なぜ鳥肌は立つのでしょうか？諸説ありますが、体温調節に関わっているという説が有力です。立毛筋が収縮すると、毛が立ち上がり、皮膚と体毛の間に空気の層ができます。この空気の層が、断熱材のような役割を果たし、体温の低下を防いでくれると考えられています。また、鳥肌が立つことで、体毛を逆立てて体を大きく見せることで、敵に対して威嚇していたという説もあります。 このように、鳥肌は、私たちの祖先が厳しい環境を生き抜くために獲得した、重要な体の機能の名残と言えるのかもしれません。

私たちの肌には、体毛の根元にある毛包という場所に、立毛筋という小さな筋肉が存在しています。普段は意識することのないこの筋肉ですが、実は、体温調節において非常に重要な役割を担っています。 例えば、寒い屋外に出たり、強い恐怖を感じたりした時、体の中では自律神経のうち交感神経が優位に働きます。すると、この交感神経の刺激によって立毛筋が収縮し、皮膚表面に鳥肌が立つのです。鳥肌は、毛が逆立つことで皮膚表面の空気層を厚くし、まるでセーターを着ているかのように、体から熱が逃げるのを防いでくれます。 このように、立毛筋は、外部環境の変化に応じて体温を一定に保つために、自律神経と連携して働いているのです。立毛筋は小さいながらも、私たちの体にとって欠かせない大切な役割を果たしていると言えるでしょう。