肌の守護神!トランスグルタミナーゼの秘密
私たちの肌は、外界の様々な刺激から体を守る、まさに砦のような役割を担っています。その中でも、肌の最も外側にある角質層は、まるで鎧のように、乾燥や紫外線、細菌などの外部刺激から私たちを守ってくれています。
この角質層は、レンガを積み重ねて壁を作るように、角質細胞と呼ばれる細胞が規則正しく積み重なってできています。そして、この角質細胞同士をしっかりと結びつけ、強固な構造を形成するために重要な役割を担っているのが、コーニファイドエンベロープと呼ばれる、タンパク質でできた丈夫な膜です。
コーニファイドエンベロープは、細胞と細胞の間を接着剤のようにつなぎ合わせることで、外部からの異物の侵入を防ぎ、肌内部の水分や栄養分の蒸発を防ぐ役割を担っています。このコーニファイドエンベロープが正しく形成されないと、肌はバリア機能を十分に果たすことができなくなり、乾燥肌や敏感肌、アトピー性皮膚炎などの肌トラブルを引き起こしやすくなってしまいます。
そして、このコーニファイドエンベロープの形成に欠かせないのが、トランスグルタミナーゼと呼ばれる酵素です。トランスグルタミナーゼは、特定のタンパク質同士を結びつける働きがあり、コーニファイドエンベロープの形成に必要なタンパク質同士を強固に結合させることで、丈夫な角質層を作り上げる役割を担っています。