アポトーシス:美肌のカギ!?
私たちの体は、およそ37兆個もの細胞から成り立っています。気が遠くなるほどの数の細胞の一つ一つが、私たちの体を支え、活動するための役割を担っているのです。
細胞は決して不老不死の存在ではありません。毎日、新しい細胞が生まれ、古い細胞は役目を終えていきます。細胞が古くなったり、傷ついたりすると、私たちの体にとって負担になってしまうことがあります。このような不要になった細胞は、自らの命を終わらせることで、体の健康を維持しています。
細胞が自ら死を選ぶプロセスは、「アポトーシス」と呼ばれます。これは、細胞にあらかじめプログラムされた、自然な死のメカニズムです。「プログラムされた細胞死」とも呼ばれ、細胞内の遺伝子によって厳密に制御されています。
アポトーシスは、私たちの体の中で日常的に起こっている、ごく当たり前の生理現象の一つです。例えば、オタマジャクシの尻尾が消えてカエルへと成長する過程や、胎児の指の間の水かきがなくなる過程も、アポトーシスによるものです。
細胞が自身の役割を終え、秩序を持って静かに消えていくアポトーシスは、私たちの体を健やかに保つために欠かせないプロセスと言えるでしょう。