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粘弾性
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- フックの法則とは日常で何気なく使っているボールペンや、車に使われているスプリング、建物に使われている鉄骨など、私たちの身の回りには「力」を加えると変形し、力を抜くと元の形に戻る「弾性」を持ったものがたくさんあります。この弾性に関する基本的な法則が、17世紀のイギリスの物理学者ロバート・フックによって提唱された「フックの法則」です。フックの法則を説明するのに、最もわかりやすい例が「ばね」です。ばねは、引っ張ると伸び、押すと縮みます。この時、ばねに加える力と、ばねの伸び縮みの量は比例するという法則が、フックの法則です。例えば、ばねに1kgの重りをつるして2cm伸びたとすると、2kgの重りをつるせば4cm伸び、3kgの重りをつるせば6cm伸びる、という具合に、力が2倍、3倍になれば、伸びも2倍、3倍になります。この関係は、ばねに限らず、金属やプラスチック、ゴムなど、弾性を持つ様々な物質に当てはまります。ただし、どんな物質でも、限界以上に力を加えると、元の形に戻らなくなったり、壊れたりしてしまいます。この限界になる地点を「弾性限界」と呼びます。フックの法則は、私たちの身の回りにある様々な製品の設計や開発に役立てられています。例えば、建物を設計する際には、地震や風の力に対して、建物の柱や梁がどのように変形するかを計算する必要があります。また、自動車の設計では、サスペンションが路面の凹凸を吸収する際に、どのように変形するかを計算する際に、フックの法則が欠かせません。このようにフックの法則は、私たちの生活を支える技術の基礎となっている重要な法則と言えるでしょう。
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化粧品の使用感を変えてしまう「クリープ」現象とは?
「クリープ」という言葉は、日常生活ではあまり馴染みがないかもしれません。しかし、物質の性質を表す重要な現象の一つであり、実は化粧品の使い心地にも大きく影響しています。
クリープとは、物質に一定の力を加え続けると、時間経過とともに変形が進む現象のことを指します。分かりやすい例としては、重い物を吊るした糸が時間の経過とともに少しずつ伸びていく様子が挙げられます。
化粧品において、このクリープ現象は、クリームやジェルなどのテクスチャーに大きく関わってきます。例えば、指でクリームを軽く押すと、最初は形を保っていますが、そのまま力を加え続けると、ゆっくりと形が崩れていきます。これがクリープ現象によるものです。
クリープ現象が起きやすい化粧品は、肌に塗布した際に滑りが良く、伸びが良いという特徴があります。反対に、クリープ現象が起きにくい化粧品は、肌に留まりやすく、カバー力が高いという特徴があります。
化粧品開発においては、このクリープ現象をコントロールすることで、目的とする使用感や効果を実現しています。滑らかで伸びの良い使用感を求める場合は、クリープ現象が起きやすい成分を配合したり、反対に、肌への密着やカバー力を高める場合は、クリープ現象が起きにくい成分を配合したりと、様々な工夫が凝らされています。
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化粧品の使い心地を決める粘弾性とは?
- 粘弾性ってどんなもの?
「粘弾性」とは、物質が「粘性」と「弾性」の両方の性質を併せ持つことを指します。
「粘性」と聞いてもピンとこない方もいるかもしれません。蜂蜜や水飴をイメージしてみてください。これらは、形を変えようとしたときに、それに抵抗する性質を持っていますよね。これが「粘性」です。蜂蜜をゆっくりとスプーンですくってみると、糸を引くように伸びてなかなか切れずに、ゆっくりと元の状態に戻ろうとします。
一方、「弾性」は、ゴムボールを思い浮かべると分かりやすいでしょう。ゴムボールは、力を加えると変形しますが、力を取り除くと元の形に戻ろうとします。この性質が「弾性」です。
つまり、粘弾性を持つ物質は、蜂蜜のように粘り気を持ちながらも、ゴムボールのようにある程度の弾力も持ち合わせていると言えるでしょう。
身近なもので例えると、スライムやこんにゃく、餅などが挙げられます。これらは、力を加えるとゆっくりと形を変え、力を加えるのをやめると形を維持しようとする性質を持っています。
化粧品においても、この粘弾性は重要な要素となります。クリームや乳液のテクスチャーや、ファンデーションの伸びの良さ、ヘアワックスのセット力などは、この粘弾性によってコントロールされているのです。
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化粧品の使い心地に影響?クリープ現象を知ろう!
- クリープ現象とは?
物質に一定の力をかけ続けると、時間が経つにつれて変形が大きくなっていく現象を、クリープ現象と呼びます。
身近な例では、輪ゴムを長時間引っ張ったままにしておくと、伸びきってしまい元に戻らなくなることがあります。これもクリープ現象の一種です。
この現象は、温度や湿度、負荷のかかり方など様々な要因によって影響を受けます。
例えば、温度が高い状態では物質は軟らかくなるため、クリープ現象は起こりやすくなります。また、湿度が高い環境では、物質によっては水分を吸収して変形しやすくなるため、クリープ現象が促進されることがあります。
クリープ現象は、金属やプラスチック、セラミックスなど、様々な物質で見られます。特に、高温で使用する機械部品や構造物などでは、クリープ現象による変形が深刻な問題となることがあります。
例えば、ジェットエンジンのタービンブレードは、高温・高圧のガスにさらされるため、クリープ現象によって変形し、最悪の場合には破損してしまうことがあります。
このように、クリープ現象は、製品の寿命や安全性を左右する重要な要素となります。そのため、製品設計の際には、クリープ現象を考慮した材料選択や構造設計を行う必要があります。
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化粧品の使い心地を決める?「粘弾性」の秘密
- 粘弾性とは?
化粧品を選ぶとき、使い心地で決める方は多いのではないでしょうか? するすると伸びるクリーム、ぷるぷるとした感触の美容液など、心地よいと感じるテクスチャーには、実は「粘弾性」という性質が深く関わっています。
粘弾性とは、物質がもつ「粘性」と「弾性」という二つの性質を合わせたものです。
「粘性」とは、蜂蜜や水飴をイメージしてみてください。ゆっくりと流れる、形を変えにくい性質のことです。化粧品では、とろみのあるテクスチャーなどはこの粘性によるものです。
一方、「弾性」はゴムボールを思い浮かべてみましょう。力を加えると変形しますが、力を抜くと元の形に戻ります。この、力を加えると変形し、力を除くと元に戻る性質が弾性です。
粘弾性を持つ物質は、この粘性と弾性を併せ持っています。そのため、単に流れるだけでなく、ある程度の形状を保ったり、力を加えると反発するような独特の感触が生まれます。
化粧品において、この粘弾性は使用感に大きく影響します。例えば、クリームの伸びや肌への密着感、美容液のぷるぷるとした感触、口紅の滑らかさなどは、すべて粘弾性によって調節されています。
普段何気なく感じている化粧品の使い心地の良さには、実はこのような科学的な仕組みが隠されているのです。
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化粧品における「応力緩和」の秘密
化粧品を選ぶ際、成分表示を熱心にチェックする方は多いでしょう。しかし、「応力緩和」という言葉を見かけることはほとんどないのではないでしょうか? あまり聞きなれない言葉ですが、この「応力緩和」は、実は化粧品の使い心地に大きく関係しているのです。
では、「応力緩和」とは一体何なのでしょうか? 物体に力を加えると、その物体内部に応力が発生します。この時、力を加えたままの状態を続けると、時間経過とともに応力が減少していく現象を「応力緩和」と呼びます。
化粧品の場合、肌に塗布した際に、この「応力緩和」という現象が起きます。例えば、クリームを肌に塗ると、最初は肌の表面に留まっていますが、時間の経過とともに肌になじんでいきますよね? これは、クリーム内部の応力が緩和し、肌の凹凸に馴染んでいくことで起こる現象なのです。
応力緩和が速やかに起こる化粧品は、肌への伸びが良く、塗った瞬間から心地よいフィット感を得られます。逆に、応力緩和が遅い化粧品は、肌への伸びが悪く、塗った際に重たさやベタつきを感じてしまうことがあります。
化粧品の使い心地は、配合されている成分の種類や量、製造方法など、様々な要因によって変化します。しかし、その中でも「応力緩和」は、使用感に直結する重要な要素の一つと言えるでしょう。
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