肌の表面に見るミクロの世界
私たちの肌は、一見すると滑らかに見えますが、顕微鏡で拡大してみると、実は細かい溝や隆起、平らな部分など、複雑な構造で出来ています。
このうち、溝のように凹んだ部分を「皮溝」、その間にある隆起した部分を「皮丘」、そして皮溝と皮丘に囲まれた平らな部分を「皮野」と呼びます。
皮溝、皮丘、皮野は、ちょうど、山と谷、そして平野のように、複雑に組み合わさりながら肌の表面を覆っています。そして、この複雑な組み合わせが、人それぞれ異なる肌の模様を生み出しているのです。
指紋や掌紋、足紋なども、この微細な構造の違いによって形成されます。個人を特定するために使われる指紋は、まさにこの微細構造がもたらす、世界に一つだけの模様と言えるでしょう。
このような肉眼で見える肌の模様は、「レリーフ構造」という考え方で分類され、5段階に分けられます。そして、皮溝や皮丘によってできる模様は、最も表面的な「第5次レリーフ」に分類されます。
つまり、私たちが普段何気なく目にしている肌の表面は、実は「第5次レリーフ」と呼ばれる、微細な構造によって形作られた個性豊かな模様なのです。