染毛

美しい髪色を手に入れるため、多くの人がヘアカラーやブリーチを使用します。しかし、これらの薬剤に含まれる成分は、時に私たちの髪に大きな負担をかけてしまうことを忘れてはいけません。 私たちの髪は、大きく分けて3つの層で構成されています。中心部には水分や栄養を多く含む「毛髄質」、その周りをタンパク質が主成分の「毛皮質」が取り囲み、さらにその外側を、うろこのような形状をした「毛表皮（キューティクル）」が包み込んでいます。キューティクルは、外部からの刺激から髪を守り、内部の水分や栄養が流れ出てしまうのを防ぐ、いわば髪のバリアのような役割を果たしています。 染毛剤やブリーチ剤には、このキューティクルを一時的に開かせ、髪の内側に浸透することで色を変える働きを持つ成分が含まれています。しかし、薬剤の使用頻度や髪質によっては、キューティクルが損傷し、剥がれ落ちてしまうことがあります。キューティクルが剥がれ落ちると、髪の内部の水分や栄養が失われやすくなり、乾燥やパサつき、枝毛などの原因となってしまいます。また、紫外線などの外的刺激を受けやすくなるため、さらなるダメージに繋がる可能性も懸念されます。 美しい髪を保つためには、染毛剤の使用を控える、髪質に合った薬剤を選ぶ、トリートメントで髪のダメージを補修するなど、日頃から髪への負担を軽減するための工夫を心がけることが大切です。