肌の鎧!知っておきたい「皮表」のこと
私たちの体は、頭からつま先まで皮膚で覆われています。この皮膚は、体を守る大切な役割を担っています。その中でも、外界と直接触れ合う一番外側の部分を「皮表」といいます。皮表は、例えるなら洋服のように体全体を包み込み、成人ともなるとその面積は約1.6㎡、重さは約3kgにもなります。これは、畳一枚分ほどの広さに相当するといえば、その広さが想像できるでしょうか。
しかし、皮表は一枚の平らなシートではありません。顕微鏡で覗いてみると、そこには皮溝と呼ばれる溝と、皮丘と呼ばれる丘のような隆起が入り組んだ、複雑な地形が広がっています。まるで、広大な土地に山や谷が連なっているかのようです。さらに、部位によっては、毛穴や汗を出すための出口、そして年齢を重ねてできるしわなどが、この小さな世界にさらに変化を加えていきます。
このように、皮表は一見単純に見えて、実は非常に複雑な構造をしています。そして、この複雑な構造こそが、外部からの刺激や乾燥から体を守り、健康な状態を保つために重要な役割を果たしているのです。