化粧品成分のヒミツ:極性が鍵を握る?
私たちの身の回りには、机、椅子、空気、水など、様々な物が存在します。これらの物は、全て物質と呼ぶことができます。そして、物質を構成する非常に小さな粒子のことを分子と呼びます。分子は、さらに小さな粒子である原子からできています。
原子は中心に原子核があり、その周りを電子が飛び回っています。この電子の偏りによって、分子内に電荷の偏りが生じることがあります。これを極性と呼びます。極性を持つ分子は、まるで小さな磁石のように、プラスとマイナスの電荷を持っています。
極性は目には見えませんが、化粧品成分の働きに大きな影響を与えます。例えば、水は極性を持つ分子ですが、油は極性を持たない分子です。そのため、水と油は混ざり合うことができません。化粧水や美容液など、水溶性の成分は肌に浸透しやすいですが、油性の成分は肌表面を保護する役割を果たします。このように、化粧品成分がどのような働きをするかは、その成分の極性によって大きく変わるのです。