心理生理学

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真実を映す鏡?肌が語る内側の声

私たちは毎日、喜び、悲しみ、怒り、興奮など、さまざまな感情を抱きながら生活しています。これらの感情は、表情や行動に現れるだけでなく、実は肌からも読み取ることができるのです。感情が揺り動かされると、私たちの体の中では自律神経が活発に働き始めます。自律神経は、心臓を動かしたり、呼吸をしたり、体温を調節したりするなど、生命活動を維持するために欠かせない機能をコントロールしています。 この自律神経の活動の変化は、皮膚の表面にも微弱な電気信号の変化として現れます。これが、皮膚電気反射(GSR)と呼ばれるものです。GSRは、感情の変化によって引き起こされる発汗に反応して変化するため、感情の強さや変化を客観的に測定する指標として用いられています。 たとえば、緊張や不安を感じると、手足に冷や汗をかきますよね。これは、交感神経が活発に働くことで汗腺が刺激され、発汗が促進されるためです。逆に、リラックスしている状態では、副交感神経が優位になり、発汗量は減少します。このように、GSRは、私たちの意識とは無関係に働く自律神経の活動を反映しているため、感情を隠したり、偽ったりすることができません。まるで、心が肌を通してメッセージを送っているかのようです。
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