化粧品科学

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化粧品における界面の役割

- 界面とは 異なる物質が触れ合っている境目のことを界面と呼びます。私たちが普段生活している中でも、界面は至る所に存在しています。例えば、空気と水が接している水面や、油と水が分離している状態など、異なる性質を持つ物質同士が隣り合っている場所が界面です。 化粧品においても、この界面という概念は非常に重要です。なぜなら、化粧品は様々な成分が組み合わさり、お互いに混ざり合うことで、初めてその効果を発揮するからです。例えば、化粧水の場合、水という成分に、美容効果のある成分や香料などを混ぜ合わせて作られます。しかし、これらの成分は、ただ単純に混ぜ合わせただけでは、均一に混ざり合わず、分離してしまいます。そこで重要になるのが界面の性質です。 界面の性質をコントロールすることで、本来であれば混ざり合わない成分同士を均一に分散させたり、安定的に混合した状態を保つことが可能になります。界面の性質をコントロールするために、界面活性剤と呼ばれる成分が化粧品にはよく用いられます。界面活性剤は、水にも油にもなじみやすい性質を持つため、水と油のように本来混ざり合わない成分同士を繋ぎ合わせる役割を果たします。 このように、界面という概念は、化粧品の品質や使い心地を大きく左右する重要な要素の一つと言えるでしょう。
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ストループテストでわかる!ストレスと肌の関係

私たちは日々、鏡を見て自分の顔色を伺い、体調や気分を何となく把握していますよね。 実は、肌は体の表面を覆うだけの組織ではなく、心の状態を映し出す鏡のような存在なのです。 喜びや幸福感に満ち溢れている時、私たちの肌は、内側から溢れ出す輝きを放ちます。 反対に、不安や緊張に押しつぶされそうな時、肌は本来の輝きを失い、くすんで見えたり、思わぬところに吹き出物が現れたりします。 これは、心と肌が密接に影響し合っていることを如実に示す一例と言えるでしょう。 心の状態が肌に影響を与えるメカニズムは、自律神経系やホルモンの働きと深く関わっています。 ストレスを感じると、自律神経の一つである交感神経が優位になり、血管が収縮しやすくなります。 すると、肌への血流が悪くなり、栄養や酸素が十分に行き渡らなくなってしまいます。 その結果、肌のターンオーバーが乱れ、くすみや乾燥などの肌トラブルを引き起こしてしまうのです。 また、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの過剰な分泌も、皮脂の分泌を増加させ、毛穴を詰まらせたり、炎症を引き起こしたりする原因となります。 このように、心と肌は密接に繋がっているため、肌のトラブルを根本的に解決するためには、心のケアも非常に大切になってきます。
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ストループテスト:肌へのストレスの影響を探る

- 化粧品研究における意外なツール「ストループテスト」と聞いて、緑色で書かれた「赤」という文字や、赤色で書かれた「青」という文字を思い浮かべた方は、心理学に関心をお持ちかもしれませんね。色のついた単語の色と意味が一致しないように提示されるこのテストは、本来、人間の認知能力を測るために心理学の分野で使われてきました。しかし近年、意外にも化粧品科学の分野で注目を集めているのです。肌は、心と密接に繋がっている臓器と言われています。ストレスを感じると肌が荒れたり、ニキビができやすくなったりする経験をしたことはありませんか? 実は、ストレスと肌の関係は科学的にも証明されつつあります。ストレスを受けると、体内で cortisol というホルモンが分泌されます。cortisol は、皮脂の分泌を増加させたり、炎症を引き起こしたりするなど、肌に悪影響を与えることが知られています。そして、ストループテストは、このストレスと肌の関係を科学的に解明する上で役立つツールなのです。ストループテストを実施する際に、脳波計や皮膚の電気伝導率を測定する機器などを用いることで、被験者がストレスを感じている度合いを客観的に評価することができます。さらに、ストループテストの実施前後に肌の状態を比較することで、ストレスが肌に及ぼす影響を詳細に分析することが可能になります。化粧品開発の現場では、これまで以上に消費者の肌への優しさや、心の状態に寄り添う製品が求められています。ストループテストは、心の状態が肌に与える影響を科学的に解明することで、ストレスに負けない、より健康的で美しい肌を実現するための新たな化粧品の開発に貢献していくことが期待されています。
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