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化粧品成分
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毎日のように身だしなみを整える際に欠かせない化粧品。何気なく手に取って使っている方がほとんどだと思いますが、その中には肉眼では見えない、まるで別世界のような景色が広がっていることをご存知でしょうか?
その隠された美しさを観察するために用いられるのが、「光学組織像」と呼ばれる技術です。これは、特別な顕微鏡を使って化粧品を拡大することで、その内部構造を視覚化する技術です。すると、まるで万華鏡を覗き込んだかのような、幾何学模様や色彩豊かな世界が広がっているのが分かります。
この美しい模様は、化粧品の成分や製造過程によって千差万別です。同じ赤色の口紅でも、メーカーや種類が違えば、光学組織像も全く異なる表情を見せるのです。これは、配合されている成分の大きさや形状、濃度、そしてそれらがどのように混ざり合っているのかといった情報が、模様となって表れているためです。
そのため、近年ではこの光学組織像が、化粧品の品質を見極める指標の一つとしても注目されています。専門家は、光学組織像から、製品の安定性や肌へのなじみやすさ、使用感などを予測することができるのです。つまり、私たちが普段何気なく目にしている化粧品の輝きは、目に見えないミクロの世界の美しさによって支えられていると言えるでしょう。
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期待の成分!ヘキサゴナル液晶でうるおい肌へ
- 注目の成分、ヘキサゴナル液晶って?近年、化粧品の成分表示で見かける機会が増えた「ヘキサゴナル液晶」。耳慣れない言葉ですが、実はこの成分、私たちの肌のうるおいを守るために、とても重要な役割を果たしてくれるかもしれないのです。では、ヘキサゴナル液晶とは一体どんなものなのでしょうか? 簡単に言うと、水と油を結びつける性質を持つ、両親媒性分子が、六角形に規則正しく並んだ構造を持つ液晶のことです。水と油のように、本来は混ざり合わないものを結びつける両親媒性分子が、規則正しく並ぶことで、まるでスポンジのように水分をたっぷり抱え込むことができるのです。この特殊な構造こそが、ヘキサゴナル液晶の優れた保水力の秘密です。ヘキサゴナル液晶は、肌の表面に薄い膜を作り、水分を閉じ込めることで、乾燥から肌を守り、うるおいを長時間持続させてくれます。さらに、外部からの刺激から肌を守るバリア機能も期待できます。最近では、このヘキサゴナル液晶を配合した化粧品が、化粧水や乳液、美容液など、様々な種類で販売されています。従来の保湿成分とは一味違う、ヘキサゴナル液晶のパワーを、ぜひあなたの肌で実感してみてください。
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ソルビタン脂肪酸エステル:化粧品に欠かせない縁の下の力持ち
- ソルビタン脂肪酸エステルとは
ソルビタン脂肪酸エステルは、その名前の通り、ソルビタンと脂肪酸が結合してできた物質です。
ソルビタンは、天然に存在する糖の一種であるソルビトールから作られる糖アルコールです。保湿効果や甘味を持つことで知られており、食品や化粧品に幅広く使用されています。一方、脂肪酸は、油脂を構成する主要な成分であり、炭素と水素からなる鎖状の構造をしています。
このソルビタンと脂肪酸が結合することで、水になじみやすい性質(親水性)と、油になじみやすい性質(親油性)の両方を兼ね備えた物質になるのです。このような性質を持つ物質を、界面活性剤と呼びます。
界面活性剤は、水と油のように、本来は混ざりにくいものを混ぜ合わせる働きをします。例えば、マヨネーズやドレッシングのように、水と油を均一に混ぜ合わせる際に、界面活性剤が重要な役割を果たします。
ソルビタン脂肪酸エステルも、この界面活性作用を持つため、食品や化粧品をはじめ、医薬品、塗料、繊維など、様々な分野で広く利用されています。
食品添加物としては、乳化剤、分散剤、安定剤などとして使用され、アイスクリームやチョコレート、ケーキなどの風味や食感を向上させる効果があります。また、化粧品にも、乳液やクリームの滑らかさを向上させたり、メイクアップ製品の伸びや密着性を高めるために配合されます。
ソルビタン脂肪酸エステルは、安全性が高いことでも知られており、長年の使用実績があります。そのため、安心して使用できる成分と言えるでしょう。
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化粧品の安定性: 非平衡状態との戦い
- 化粧品における非平衡状態とは?私たちは毎日何気なく化粧品を使っていますが、その中には目には見えない科学の力がたくさん詰まっているのです。普段のスキンケアやメイクアップで、使った後に肌がもっちりしたり、色が長持ちしたりするのは、高度な科学技術のおかげと言っても過言ではありません。そして、その技術の一つに、「非平衡」という概念があります。「非平衡状態」と聞いても、一体どんなものなのか、想像がつかない方も多いのではないでしょうか? 簡単に言ってしまえば、物質が不安定な状態で存在していることを指します。例えば、水と油を混ぜてみましょう。最初は白く濁って混ざり合ったように見えますが、しばらく置いておくと、時間が経つにつれて分離してしまいますよね? このように、水と油は本来混ざりにくい性質を持っているため、無理に混ぜ合わせても、最終的には分離して、安定した状態に戻ろうとします。これがまさに非平衡状態の一例です。では、この非平衡状態が化粧品とどう関係しているのでしょうか? 実は、化粧品の中には、この非平衡状態をうまく利用することで、優れた効果を発揮しているものがあります。例えば、美容成分を肌の奥深くまで届けるために、極小のカプセルに美容成分を閉じ込めて、肌の表面に届ける技術があります。このカプセルは、肌に触れると壊れて、中の美容成分を放出するように設計されています。これも、不安定な状態のカプセルが、肌に触れることで安定した状態に戻ろうとする性質を利用した、非平衡状態の応用例と言えるでしょう。このように、化粧品における非平衡状態は、これまで実現が難しかった効果を生み出す可能性を秘めた技術なのです。普段何気なく使っている化粧品にも、最先端の科学技術が活用されていることを、少し意識してみると、いつものスキンケアやメイクアップが、より一層楽しくなるかもしれませんね。
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肌荒れを防ぐ!化粧品の抗炎症剤
毎日の肌のお手入れに欠かせない化粧品ですが、中には、肌に刺激を与えてしまう成分が含まれていることがあります。特に、敏感肌の方や肌トラブルを抱えている方は、化粧品選びに慎重にならざるを得ません。
そこでおすすめしたいのが、抗炎症剤配合の化粧品です。
抗炎症剤は、その名の通り炎症を抑える効果があります。炎症は、肌荒れ、ニキビ、赤み、かゆみなどの様々な肌トラブルの原因となりますが、抗炎症剤配合の化粧品は、これらのトラブルを予防し、肌を健やかな状態に保つ役割を担います。
抗炎症剤には様々な種類がありますが、化粧品に配合されることの多い成分としては、グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン、トラネキサム酸などが挙げられます。これらの成分は、肌への刺激が少なく、効果も期待できるため、安心して使用することができます。
抗炎症剤配合の化粧品は、ドラッグストアや化粧品専門店などで、幅広く販売されています。化粧水、乳液、美容液、クリーム、パックなど、様々な種類の製品があるので、自分の肌質や悩みに合わせて選ぶことができます。
日頃から肌の炎症が気になる方はもちろん、季節の変わり目やストレスなどで肌が不安定になりがちな方にも、抗炎症剤配合の化粧品はおすすめです。ぜひ、毎日のスキンケアに取り入れて、健やかで美しい肌を目指しましょう。
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化粧品の決め手、可溶化技術の秘密とは?
- 化粧品における可溶化とは化粧品において、水と油のように本来は混ざり合わない成分を均一に溶け込ませ、透明で美しい状態を保つための技術を可溶化と言います。この技術は、まるで仲の悪い者同士を仲直りさせる魔法のように、異なる性質を持つ成分を一つにまとめ上げるため、様々な化粧品作りに欠かせないものとなっています。例えば、私たちがよく目にする化粧水や美容液などの多くは、水がベースとなっています。しかし、香料や油剤といった美容効果の高い成分は、水に溶けにくい性質を持っているため、そのままでは水に溶け込まず分離してしまいます。そこで活躍するのが可溶化技術です。可溶化技術を用いることで、これらの水に溶けにくい成分も、水ベースの化粧品の中に均一に分散させることが可能になります。これにより、香料の豊かな香りを楽しむことができる化粧水や、油剤の保湿効果を存分に実感できる美容液など、高機能で使い心地の良い化粧品を生み出すことができるのです。このように、可溶化は、化粧品の品質や機能性を高める上で非常に重要な役割を担っており、私たちの美を支える影の立役者と言えるでしょう。
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化粧品のけん化価:その役割と重要性
- けん化価とはけん化価とは、化粧品に使われている油脂やろうなどの成分を構成する脂肪酸の量を表す指標です。 簡単に言うと、油脂1グラムをけん化するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数を指します。 油脂やろうは、グリセリンと脂肪酸が結合したエステルという物質です。けん化とは、このエステル結合を水酸化カリウムなどのアルカリを使って切断し、グリセリンと脂肪酸の塩(石鹸)に分解する化学反応のことです。けん化価は、油脂やろうに含まれる脂肪酸の種類や量によって変化します。 けん化価が高いということは、その油脂やろうに含まれる脂肪酸の量が多いことを意味します。 一般的に、脂肪酸の分子量が小さいほど、けん化価は高くなります。化粧品において、けん化価は製品の特性を理解する上で重要な指標となります。例えば、石鹸を作る際には、けん化価の高い油脂を使うことで、より洗浄力の高い石鹸を作ることができます。また、クリームや乳液などの基礎化粧品では、けん化価の異なる油脂を組み合わせることで、使用感や保湿性を調整することができます。けん化価は、化粧品の成分表示には必ずしも記載されていませんが、化粧品の性質を知る上で重要な指標の一つと言えます。
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意外と身近?チオ硫酸ナトリウムの化粧品での活躍
チオ硫酸ナトリウムと聞いても、一体何だろう?と思う方が多いかもしれません。写真愛好家の方なら、写真の現像に使われる定着液の成分としてご存知かもしれませんね。しかし、このチオ硫酸ナトリウム、実は写真の世界だけにとどまらず、私たちの身近な化粧品にもひそかに活躍しているのです。
例えば、毎日使う石けん。その石けんの品質を保ち、長持ちさせるために、チオ硫酸ナトリウムは保存料として配合されていることがあります。また、髪色を自由自在に変えられるヘアダイにも、チオ硫酸ナトリウムは含まれています。これは、染まりすぎた髪色を調整したり、パーマやカラーリングの際に残ってしまった薬剤を取り除く働きをするためです。さらに、温泉気分を味わえる、と人気のバスソルトにも、チオ硫酸ナトリウムが使われていることがあります。
このように、チオ硫酸ナトリウムは、様々な用途で私たちの生活を支えてくれている、縁の下の力持ちと言えるでしょう。
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α-ゲル配合化粧品で潤い肌へ
- α-ゲルとはα-ゲルとは、まるでゼリーのようにプルプルとした感触を持つ物質で、水分をたっぷり含むことができるのが特徴です。 その秘密は、α-ゲル独自の構造にあります。α-ゲルは、水になじみやすい部分(親水性)と、油になじみやすい部分(親油性)を持つ、小さな分子が集まってできています。 この小さな分子たちは、水と油をバランスよく抱え込みながら、規則正しく並んでいます。 この様子は、まるで小さな網目が無数に連なっているように例えることができ、この網目構造こそが、α-ゲルの高い保水力の鍵を握っています。α-ゲルは、その保水力の高さから、化粧品など、様々な分野で活躍しています。 化粧品では、肌に潤いを与え、乾燥を防ぐ保湿成分として配合されることが多いです。 α-ゲルを含む化粧品を使うことで、肌にみずみずしい潤いを与え、しっとりとした状態を保つ効果が期待できます。 また、α-ゲルは、その独特のプルプルとした感触から、使用感の良さも魅力の一つと言えるでしょう。
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敏感肌さんも必見!化粧品と皮膚一次刺激の関係
- 皮膚一次刺激とは?
初めて使う化粧品や、特定の物質に触れた時に、肌が赤くなったり、炎症を起こしたり、かゆみが出たりすることがあります。このような反応を、皮膚一次刺激と呼びます。
皮膚一次刺激は、物質そのものが持つ刺激性によって引き起こされます。例えば、強い酸性やアルカリ性の物質は、皮膚への刺激が強く、注意が必要です。このような物質は、肌の表面を傷つけたり、炎症を引き起こしたりする可能性があります。
皮膚一次刺激の症状は、人によって、また、触れる物質の量や濃度によって異なります。軽い場合は、一時的な赤みやひりつきだけで済むこともありますが、ひどい場合は、水ぶくれや湿疹などの症状が出ることもあります。
新しい化粧品を使う場合は、必ずパッチテストを行い、自分の肌に合うかどうかを確認してから使うようにしましょう。また、使用中に異常を感じたら、すぐに使用を中止し、医師に相談してください。
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化粧品と許可:過去に存在した制度とは?
毎日のように使う機会が多い化粧品は、私たちの生活に欠かせないものとなっています。肌に直接塗布するものだからこそ、その製造には、安全性を確保するための様々なルールが定められています。
かつて日本では、「化粧品種別許可制度」と呼ばれる制度がありました。これは、化粧品を製造販売する前に、厚生労働省から個別に許可を得る必要があった「許可制度」を、より簡略化したものです。具体的には、一定の基準を満たした化粧品については、従来のように許可を得るのではなく、販売する前に国へ情報を「届出」するだけで販売することが可能となりました。
「化粧品種別許可制度」は、消費者の安全性を確保しつつ、化粧品の製造販売をより円滑に行うことを目的としていました。しかし、近年、国際的な基準との整合性や、さらに安全性を高める必要性などが指摘されるようになりました。そこで、2001年4月からは、新たな制度として「化粧品製造販売届出制度」が導入されることになりました。
この新しい制度では、すべての化粧品について、製造販売前に国へ情報を届出することが義務付けられています。また、製造販売後も、安全性に関する情報収集や、品質管理など、事業者の責任がより明確化されました。これらの変更は、消費者がより安心して化粧品を使用できる環境を作るために重要なものです。
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もう使われていない?化粧品原料基準について解説
- 化粧品原料基準とは
化粧品原料基準(粧原基)とは、かつて日本で化粧品の製造において、配合が認められる原料の基準を定めた国の公式な通知のことです。この基準は、国民の健康と安全を守るために、厚生省(現在の厚生労働省)によって定められていました。
化粧品原料基準は、化粧品の安全性と品質を確保する上で重要な役割を担っていました。具体的には、化粧品に配合することができる原料の種類や、その品質、安全性に関する基準が細かく定められていました。
例えば、原料の正式な名称や定義、外観や性質、品質を確認するための試験方法、不純物の許容量、有効成分の含有量などが事細かに規定されていました。
しかし、近年は国際的な基準との整合性や、技術革新への対応力などの観点から、この化粧品原料基準は廃止され、より柔軟で国際的な基準に適合したシステムへと移行しました。
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化粧品基準:安全な化粧品選びの羅針盤
- 化粧品基準とは私たちの生活に欠かせない化粧品。その安全性を守るために、国は「化粧品基準」というルールを定めています。これは2001年4月1日から施行され、私たちの健康と安全を守るための重要な役割を担っています。では、具体的にどのようなルールなのでしょうか?化粧品基準では、配合して良い成分、使ってはいけない成分、使用量を制限する必要がある成分などを明確にしています。例えば、お肌に良い効果がある成分でも、高濃度で配合すると刺激になることがあります。そこで、安全性を確保するために、成分ごとに使用できる最大量を定めているのです。また、過去に使用され、健康被害を引き起こした成分は、使用が禁止されています。化粧品基準は、メーカーが安全な化粧品を製造・販売するための指針となるだけでなく、私たち消費者が安心して化粧品を選ぶための基準ともなります。化粧品を購入する際には、ぜひ商品の成分表示を確認してみましょう。見慣れない成分名を見つけた際は、インターネットや書籍などで調べてみるのも良いかもしれません。自身の肌質や体質に合った、安全な化粧品を選び、正しく使用することで、健やかな美しさを保ちましょう。
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肌の弾力の鍵!~礎質とその役割~
- 肌の土台、礎質とは?
私たちの肌は、まるでミルフィーユのように、いくつかの層が重なり合ってできています。一番外側にあるのが表皮と呼ばれる層で、乾燥や紫外線などの外からの刺激から肌を守ってくれています。そのさらに内側、体の奥にあるのが皮下組織です。皮下組織には脂肪が蓄えられており、体温を保ったり、衝撃を吸収したりする役割を担っています。
そして、この表皮と皮下組織の間にあるのが真皮と呼ばれる層です。真皮は肌の弾力やハリを保つためにとても重要な役割を担っています。肌の弾力を保つために重要なコラーゲンやエラスチンといった繊維は、実はこの真皮で作られています。
真皮の大部分を占めているのは、コラーゲンやエラスチン線維、そしてそれらの間を満たすジェル状の物質です。このジェル状の物質こそが「礎質」と呼ばれているものです。礎質は、コラーゲンやエラスチンに水分や栄養を供給することで、肌の弾力を保つ役割を担っています。また、外部からの衝撃を吸収したり、肌のハリを保つ役割も担っています。
つまり、礎質は肌の土台と言えるでしょう。この土台がしっかりとしていれば、肌の弾力やハリを保つことができます。逆に、礎質が衰えてしまうと、肌の弾力が失われ、シワやたるみの原因になってしまいます。
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化粧品の影の立役者!粉砕機が叶える、なめらか質感の秘密
- 粉砕機ってどんな機械?粉砕機と聞くと、工事現場や工場で使われる大型機械を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし実際には、私たちの身近なものづくりにも粉砕機は活躍しています。その一つが、毎日使う化粧品です。粉砕機とは、読んで字のごとく、物質を細かく砕くための機械のこと。その用途は、食品加工から鉱物処理、医薬品製造まで、実に多岐にわたります。では、化粧品作りにおいて粉砕機はどのような役割を担っているのでしょうか?化粧品のなめらかで心地よい質感は、実は粉砕機によって生み出されています。口紅やファンデーション、アイシャドウなどに含まれる色素や顔料は、元々は固体の状態です。これらの原料を、粉砕機を使って微粒子状にまで細かく砕くことで、肌へのなじみが良く、ムラなく塗れる化粧品を作ることができるのです。粉砕の方法は、原料の特性や仕上がりのイメージによって異なります。回転する刃で材料をすり潰すもの、粒子同士をぶつけて細かく砕くものなど、様々な種類の粉砕機が存在します。近年では、ナノメートルレベルまで粒子を小さくできる粉砕機も登場しており、より高機能な化粧品の開発にも役立てられています。このように、粉砕機は普段目にする機会は少ないものの、私たちが何気なく使っている化粧品の品質を支える、重要な役割を担っているのです。
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化粧品の安全を守る!ヒ素・重金属試験法
- 化粧品と安全性
毎日のように肌に直接つけるものだからこそ、化粧品の安全性は私たち消費者にとって非常に重要な関心事です。口紅やファンデーション、スキンケア用品など、様々な化粧品が私たちの生活に彩りを与えてくれますが、その一方で、製造過程で意図せず有害物質が混入してしまう可能性もゼロではありません。
安全な化粧品を使うために、製造・販売する企業は、製品の安全性を確保するために様々な試験を実施しています。例えば、原料の安全性確認や製品の安定性試験、肌への影響を調べるパッチテストなどが挙げられます。
原料の安全性確認では、化粧品の原料となる成分一つひとつについて、安全性データに基づいて使用の可否や使用量の制限などを厳密にチェックします。また、製品の安定性試験では、高温や低温、直射日光などの過酷な環境下に製品を置いて、品質が変化しないかを確認します。さらに、パッチテストでは、実際に肌に製品を貼って、かゆみやかぶれなどの皮膚反応が出ないかどうかを調べます。
これらの試験は、私たちが安心して化粧品を使えるように、そして健康的な肌を保てるように、化粧品業界全体で取り組んでいる重要なプロセスなのです。
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化粧品とヒスタミン:その関係は?
- ヒスタミンとはヒスタミンは、私達の体内で作られる、ごくありふれた物質の一つです。体内では、主に免疫細胞の一種であるマスト細胞や、好塩基球といった細胞内に存在しています。普段は大人しくしていますが、外部からアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が体内に侵入してくると、これらの細胞から放出されます。ヒスタミンが放出されると、くしゃみや鼻水、涙、皮膚のかゆみ、じんましんなど、様々なアレルギー症状を引き起こします。これは、ヒスタミンが血管を広げたり、血管の透過性を高めたりすることで、炎症を引き起こすためです。炎症を起こすことで、体内に入った異物を排除しようと体が働くのです。花粉症も、このヒスタミンによるアレルギー反応の一つです。花粉が体内に入ると、体はそれを異物と認識し、攻撃を仕掛けます。その際にヒスタミンが放出され、くしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状が現れるのです。ヒスタミンは、アレルギー反応以外にも、胃酸の分泌や神経伝達など、様々な役割を担っています。しかし、過剰に分泌されると、アレルギー症状だけでなく、頭痛や吐き気などを引き起こすこともあります。
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グリセリン脂肪酸エステル: 化粧品への多機能な貢献
- グリセリン脂肪酸エステルとは
グリセリン脂肪酸エステルは、その名の通り、グリセリンと脂肪酸が結合した物質です。
グリセリンは、無色透明で粘り気のある液体で、保湿効果や肌への刺激が少ないことから、化粧品や医薬品に広く使用されています。一方、脂肪酸は、動植物の油脂を構成する成分で、保湿効果や酸化防止効果などが知られています。
この2つの物質が結合したグリセリン脂肪酸エステルは、水と油の両方に馴染みやすい性質を持っています。この性質を利用して、化粧品では、主に界面活性剤として配合されています。
界面活性剤は、水と油のように、本来混じり合わないものを混ぜ合わせる役割を果たします。例えば、クリームや乳液は、水と油を混ぜ合わせて作られますが、界面活性剤がないとうまく混ざり合わず、分離してしまいます。グリセリン脂肪酸エステルは、このような化粧品の品質を安定させるために欠かせない成分と言えるでしょう。
また、グリセリン脂肪酸エステルは、肌への刺激が少ないという点も大きな特徴です。そのため、乳液やクリーム、洗顔料、シャンプーなど、様々な製品に広く使用されています。
このように、グリセリン脂肪酸エステルは、多くの化粧品に配合され、私たちの肌を健やかに保つために役立っています。
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肌にも優しい?注目の成分シトステロール
- 植物由来の天然成分
植物由来の天然成分であるシトステロールは、自然界に広く存在し、私たちの身近な場所にも多く存在しています。
シトステロールは、様々な植物油に含まれています。代表的なものとしては、米ぬか油、大豆油、トウモロコシ油などが挙げられます。これらの油は、食用としてだけでなく、化粧品や医薬品など、様々な用途に利用されています。
普段から口にしている植物油に含まれている成分なので、安全性が高く、安心して使用できるという点も魅力です。自然由来のやさしい力で、健やかな美しさを目指したい方におすすめの成分です。
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化粧品の縁の下の力持ち!非極性成分の役割とは?
- 非極性ってどんなもの?非極性と聞いても、あまり馴染みがない方が多いかもしれません。簡単に言うと、分子内にプラスとマイナスの偏りがない状態のことを指します。例えば、水と油を思い浮かべてみてください。水は極性があり、油は非極性です。私たちが普段目にしている水は、実は目には見えない小さな磁石のような性質を持っています。プラスとマイナスの極がはっきりとしているため、他の物質とも結びつきやすい性質があるのです。一方、油はプラスとマイナスの偏りがありません。そのため、水とは性質が異なり、混ざり合うことなく分離してしまいます。この極性と非極性の違いは、化粧品においても重要な役割を果たします。例えば、クレンジングオイルは油になじみやすい性質を持つメイク汚れを落とすために、非極性の油を配合しています。反対に、化粧水など、水に溶けている美容成分をお肌に届けるためには、極性を持つ水が欠かせません。このように、化粧品を選ぶ際には、成分の性質にも注目することが大切です。非極性と極性の関係性を理解することで、より自分に合った化粧品選びができるようになるでしょう。
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化粧品になぜ? シリコーンの役割と効果
「シリコーン」と耳にした時、多くの方は特定の物質を思い浮かべるのは難しいのではないでしょうか。なぜなら、シリコーンは油のように流れやすいものから、ペースト状、ゴムのように弾力のあるもの、固体まで、多様な形状を持つ物質の総称だからです。
化粧品の分野では、主に「シリコーン油」と「シリコーン樹脂」の二種類が活躍しています。 シリコーン油は、その名の通り液体状のシリコーンです。とろみのあるものからサラサラしたものまで様々な種類があり、化粧品に滑らかさを与えたり、肌や髪にツヤを出したりする目的で使われます。一方、シリコーン樹脂は粉末状のシリコーンです。化粧品に配合することで、化粧崩れを防いだり、さらさらとした感触を与えたりする効果が期待できます。
このように、シリコーンは形や性質が多岐に渡り、化粧品に様々な機能を付与する、いわば縁の下の力持ちといえるでしょう。
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透明感を演出するセリサイトの魅力
- 化粧品の定番成分、セリサイトとは
化粧品を開けば、そのほとんどに含まれているといっても過言ではないほど、セリサイトは様々な製品に配合されている成分です。
ファンデーションや白粉はもちろんのこと、アイシャドウや口紅など、実に多くの化粧品に使用されています。
セリサイトは、別名「絹雲母」とも呼ばれ、その名の通り絹のような滑らかな光沢を持つことが最大の特徴です。
この絹のような滑らかさは、化粧品に配合することで、肌の表面を均一にならし、滑らかに整える効果をもたらします。
ファンデーションに配合することで、毛穴や小じわを目立ちにくくし、肌の凹凸をカバーして、キメの整った美しい仕上がりを実現します。
また、セリサイトは皮脂を吸収する効果も持ち合わせています。
そのため、テカリを抑え、化粧崩れを防ぐ効果も期待できます。
さらに、セリサイト自体は無色透明で、他の成分の邪魔をしないという点も、多くの化粧品に採用されている理由の一つです。
色や香りに影響を与えることなく、様々な化粧品の質感や機能性を高めることができるため、まさに化粧品の定番成分といえるでしょう。
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美白への期待?グルタチオンの可能性と課題
皆さんは「グルタチオン」という言葉を耳にしたことはありますか?グルタチオンは、私たちの体の中に生まれながらに多く存在する「トリペプチド」と呼ばれる成分です。少し難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、体内でとても大切な働きをしているのです。
グルタチオンの重要な働きの一つに、酸化還元作用があります。酸化とは、鉄が錆びるのと同じように、私たちの体の中でも起こる現象です。この酸化は、老化や様々な病気の原因の一つと考えられています。グルタチオンは、この酸化を抑え、細胞を酸化ストレスから守ることで、健康な状態を保つ役割を担っています。
もう一つの重要な働きは、解毒作用です。私たちは、呼吸や食事を通して、毎日様々な有害物質を体内に取り込んでいます。グルタチオンは、肝臓などでこれらの有害物質を無毒化し、体外へ排出する働きを助けています。
このように、グルタチオンは、若々しさを保ち、健康を支える上で欠かせない成分と言えるでしょう。
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知っておきたい!光感作性物質と肌への影響
- 光感作性物質とは?
光感作性物質とは、その名の通り、光に反応して肌に様々な影響を与える可能性のある物質のことです。
私たちの身の回りには、化粧品、医薬品、植物、香料など、様々なものに光感作性物質が含まれています。
普段は問題なく使用できているものでも、紫外線などの光を浴びることで、物質が化学変化を起こし、それが刺激となって肌に炎症を引き起こすことがあります。
症状としては、赤み、かゆみ、腫れ、湿疹、水ぶくれなど、まるで火傷をしたような状態になることもあります。
このような反応は「光アレルギー性接触皮膚炎」と呼ばれ、特に紫外線が強い時期や場所では注意が必要です。
光感作性物質は、全ての人に同じように反応が出るわけではなく、体質や肌の状態、使用量、紫外線の強さなどによって症状の出方には個人差があります。
また、同じ製品を使っていても、ある日突然症状が出るということもあります。
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