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使用感
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- 使用感評価とは化粧品を選ぶ際、私たちは色や成分だけでなく、実際に肌につけたときの感覚も重視します。この、使い心地を評価するのが「使用感評価」です。化粧品を手に取った時の印象から、肌に塗った瞬間、そして時間が経った後まで、五感を駆使して使い心地を確かめます。滑らかさやべたつき、伸びの良さといったテクスチャー面はもちろんのこと、香りや容器の使いやすさなども評価対象となります。これらの感覚は、言葉で表現される場合が多いですが、使用感評価では客観的な指標を用いて数値化します。例えば、専門のパネルと呼ばれる人たちが、決められた基準に基づいて評価を行い、その結果を点数やグラフで表します。使用感評価は、消費者の好みやニーズを的確に捉え、商品開発に反映させる上で非常に重要です。開発段階で消費者の感覚に寄り添った評価を行うことで、満足度の高い製品を生み出すことに繋がります。
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化粧品の使用感:官能評価と機器測定
毎日のように使う化粧品を選ぶとき、色や香りが大切なのは言うまでもありません。しかし、肌に直接触れたときの感触や使い心地も、選ぶ上で欠かせない要素です。
口紅を塗るときの滑らかさ、化粧水をつけた後の肌のしっとり感、日焼け止めを塗った後のべたつきの有無など、心地よいと感じるかどうかは、その化粧品を使うか使わないかを決めると言っても言い過ぎではありません。同じような効果や成分の化粧品であっても、使い心地が良ければ、気持ちまで明るくしてくれるでしょう。
反対に、どんなに高価で効果の高い化粧品でも、使い心地が悪ければ、次第に使うのが億劫になってしまいます。毎日使うものだからこそ、心地よさは、化粧品を選ぶ上で最も大切にしたいポイントの一つです。
このような消費者の思いに応えるべく、各メーカーは、使用感にこだわった化粧品を開発し、消費者は、新しい感動を求めて、様々な化粧品を試したり、新製品に期待を寄せたりするのです。
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毎日の泡に隠された秘密:発泡剤の役割
気持ちの良い朝を迎えたり、歯を磨いた後の爽快感を得たり、私たちの生活には欠かせない泡。その泡立ちを作り出す「発泡剤」について詳しく見ていきましょう。発泡剤は、主に界面活性剤と呼ばれる成分からできています。界面活性剤は、水と油のように本来混ざりにくいものを混ぜ合わせる性質を持っています。この性質によって、水と混ぜると、たくさんの小さな泡を作り出すことができるのです。シャンプーやボディソープ、歯磨き粉など、様々な洗浄剤に配合され、豊かな泡立ちを生み出しています。泡は、ただ見ていて楽しいだけでなく、洗浄効果を高める役割も担っています。泡は、汚れを包み込み、浮かせて洗い流しやすくする働きがあります。また、泡立ちが良いと、洗浄剤が肌や髪に密着しやすくなり、効果的に汚れを落とすことができます。さらに、きめ細かい泡は、摩擦を軽減し、肌や髪への負担を減らしながら優しく洗い上げることができます。このように、発泡剤は、洗浄剤に欠かせない成分であり、私たちの快適な生活を支える大切な役割を担っているのです。
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メイク崩れの秘密兵器!吸油特性でサラサラ肌をキープ
気温の上昇とともに、気になるのが化粧の崩れではないでしょうか。汗をかきやすくなるこの季節、特にテカリやベタつきの原因となるのが、顔から分泌される皮脂です。
皮脂は、肌の表面を覆うことで水分蒸発を防ぎ、乾燥から肌を守る役割を果たしています。また、外部からの刺激を緩和するクッションのような役割も担っており、肌にとって欠かせない存在です。しかし、この皮脂が必要以上に分泌されてしまうと、化粧にとっては大敵。過剰な皮脂によって化粧品の油分と水分とのバランスが崩れ、化粧が浮きやすくなってしまうのです。これが、テカリやベタつき、化粧崩れの原因となります。
そこで重要になるのが、化粧品に含まれる粉体の働きです。粉体は、皮脂を吸収してくれる役割を担っています。余分な皮脂を吸い取ることで、化粧崩れを防ぎ、サラサラとした肌の状態を保ってくれるのです。
化粧崩れを防ぐためには、自分の肌質に合った化粧品を選ぶことが大切です。皮脂の分泌量が多い方は、皮脂吸着効果の高いパウダーファンデーションや、皮脂を抑える効果のある化粧下地を使うと良いでしょう。また、こまめな blotting paper での皮脂オフも効果的です。
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豊かな泡立ちの秘密:起泡力とは?
毎日の生活で欠かせないものといえば、顔を洗ったり、髪を洗ったり、食器を洗ったりと、様々な場面で使う洗浄料です。朝起きてから夜寝るまで、実に多くの場面で洗浄料のお世話になっています。そして、数ある洗浄料の中からお気に入りの一品を選ぶ際に、多くの人がこだわるポイントの一つが「泡立ち」ではないでしょうか。
きめ細かく豊かな泡は、ただ単に洗浄効果を実感しやすいだけでなく、肌や髪に触れた時の心地よさ、洗い流した後のさっぱりとした爽快感など、五感を刺激する心地よい使用感をもたらしてくれます。
例えば、洗顔料の場合、きめ細かい泡は、肌の表面についた汚れを包み込んで優しく落とす役割を果たします。ゴシゴシと強くこすらなくても、弾力のある泡がクッションの役割を果たしてくれるため、肌への負担を軽減することができます。また、シャンプーの場合も、豊かな泡立ちによって頭皮の汚れをしっかりと落としつつ、頭皮環境を整える効果も期待できます。
このように、洗浄料を選ぶ際には、泡立ちの良さに注目することで、より快適な洗浄体験を得ることができるでしょう。
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進化する化粧品!秘密は「偽塑性流動」
- 話題の成分「偽塑性流動」って?
近年、つけた瞬間、心地よさを感じるような、使い心地のよい化粧品が増えてきましたね。
進化した質感や使用感を支えているのが「偽塑性流動」という性質を持つ成分です。
聞き慣れない言葉ですが、実は私たちの身の回りで広く活用されている性質で、化粧品の進化を支える重要な役割を担っています。
では、偽塑性流動とはどのようなものなのでしょうか?
簡単に言うと、力を加えると粘度が低くなる性質のことです。
例えば、ケチャップやマヨネーズをイメージしてみてください。
逆さまにしてもなかなか落ちてきませんが、瓶を叩いたり、強く押したりすると、急に流れ出てきますよね。
これは、ケチャップやマヨネーズが偽塑性流動の性質を持っているからです。
化粧品に配合されることで、容器の中で安定している状態を保ちながら、肌に塗布する際に力を加えると、なめらかに伸び広がりやすくなります。
つまり、偽塑性流動は、使い心地と製品の安定性を両立させることができる、大変都合のよい性質なのです。
この偽塑性流動は、ファンデーション、口紅、マスカラなど、様々な化粧品に応用されています。
いつものように使っている化粧品の中にも、偽塑性流動の力が隠れているかもしれませんね。
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化粧品の使い心地を決める粘弾性とは?
- 粘弾性ってどんなもの?
「粘弾性」とは、物質が「粘性」と「弾性」の両方の性質を併せ持つことを指します。
「粘性」と聞いてもピンとこない方もいるかもしれません。蜂蜜や水飴をイメージしてみてください。これらは、形を変えようとしたときに、それに抵抗する性質を持っていますよね。これが「粘性」です。蜂蜜をゆっくりとスプーンですくってみると、糸を引くように伸びてなかなか切れずに、ゆっくりと元の状態に戻ろうとします。
一方、「弾性」は、ゴムボールを思い浮かべると分かりやすいでしょう。ゴムボールは、力を加えると変形しますが、力を取り除くと元の形に戻ろうとします。この性質が「弾性」です。
つまり、粘弾性を持つ物質は、蜂蜜のように粘り気を持ちながらも、ゴムボールのようにある程度の弾力も持ち合わせていると言えるでしょう。
身近なもので例えると、スライムやこんにゃく、餅などが挙げられます。これらは、力を加えるとゆっくりと形を変え、力を加えるのをやめると形を維持しようとする性質を持っています。
化粧品においても、この粘弾性は重要な要素となります。クリームや乳液のテクスチャーや、ファンデーションの伸びの良さ、ヘアワックスのセット力などは、この粘弾性によってコントロールされているのです。
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使用感の秘密?サイコレオロジーの世界
毎日のメイクに欠かせない化粧品を選ぶとき、皆さんは何を基準にしていますか?色や効果はもちろんですが、「使い心地」も重要な決め手になるのではないでしょうか?毎日肌に触れるものだからこそ、心地よいテクスチャーや香りは、メイクの時間をより楽しくしてくれるはずです。
実は、この「使い心地」を、感覚ではなく科学的に分析する研究が進んでいます。それが「サイコレオロジー」と呼ばれる学問です。サイコレオロジーは、物質の変形や流れを扱うレオロジーと、人の心や行動を探る心理学を組み合わせた学問です。化粧品におけるサイコレオロジーは、テクスチャーや使用感など、人の感覚に影響を与える特性を研究対象としています。
例えば、クリームを肌に伸ばしたときの滑らかさや、ファンデーションの均一に広がる感じ、リップスティックの唇にフィットする感覚など、私たちが五感で感じる様々な要素を、数値やデータで分析します。
サイコレオロジーによって、化粧品の使い心地を客観的に評価できるようになることで、これまで以上に使い心地が良く、使う人の心を満たしてくれる化粧品の開発が可能になると期待されています。
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不思議な感触の秘密!偽塑性流動とは?
毎日のように肌に触れるファンデーションや、唇に塗るリップ。私たちが何気なく使用しているこれらの化粧品には、実は、快適な使い心地を実現するための高度な技術が隠されています。
誰もが心地よいと感じる、滑らかで伸びの良い、ムラなく塗れる使い心地。このような使用感を生み出すために、近年注目されているのが「偽塑性流動」という性質です。
これは、力を加えると粘度が低下し、まるで固体が液体のように振る舞う現象のこと。
例えば、リップクリームを想像してみてください。
固形状のリップクリームは、指で触れたり、唇に滑らせたりする圧力を加えることで、柔らかくなり滑らかに伸び広がりますよね。
このように、偽塑性流動を持つことで、容器から取り出す際には適度な固さを保ちつつ、肌や唇に塗布する際には、滑らかで伸びの良い使用感を実現することができるのです。
毎日のメイクを快適にするために、化粧品には、このような見えない技術が活用されているのです。
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チキソトロピーで進化する化粧品体験
チキソトロピー。耳慣れない言葉かもしれませんが、実は私たちの身の回りで、この不思議な現象はひっそりと活躍しています。一体どんな現象なのでしょうか?
チキソトロピーとは、物質に力を加えると液体状になり、力を加えるのを止めると再び固体に戻る性質のことを指します。まるで魔法のようなこの現象、実は化粧品の世界で革新的な変化をもたらしています。
例えば、クリームタイプのファンデーションを想像してみてください。容器の中では滑らかなクリーム状ですが、肌に伸ばそうとすると、力を加えた瞬間、とろりと液体に変化します。肌の上でムラなく伸び広がり、まるで魔法のようにフィットします。そして、力を加えるのを止めると、再び固体に戻り、美しい仕上がりを長時間キープしてくれるのです。
チキソトロピーは、ファンデーションだけでなく、口紅やマスカラなど、様々な化粧品に利用されています。今までにない使い心地の良さと、安定性を実現するチキソトロピー。それは、まさに化粧品に魔法をかける、革新的な技術と言えるでしょう。
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液晶乳化:化粧品の未来を担う技術
- 液晶乳化とは近年、化粧品の分野で「液晶乳化」という技術が注目されています。これは、水と油を混ぜ合わせる従来の乳化技術に、液晶構造という新たな概念を取り入れた画期的な技術です。これまで実現が難しかった、様々な特徴を持つ化粧品が、この液晶乳化によって生み出されています。では、液晶とは一体どのようなものでしょうか? 液晶とは、固体のように規則正しく分子が並んでいる状態と、液体のように自由に分子が動く状態、その中間の性質を持つ物質のことです。 液晶は、ディスプレイなどに広く利用されていますが、実は私たちの肌にも存在しています。この液晶構造を化粧品に活用することで、水と油をナノメートルレベルという極小サイズで、しかも均一に分散させることが可能になります。 従来の乳化技術では、どうしても粒子が大きくなってしまい、使用感や安定性に課題がありましたが、液晶乳化によって、これらの課題を克服し、なめらかで、肌に溶け込むような使い心地を実現できるようになりました。また、液晶乳化は、有効成分を効率的に肌に届けるという点でも優れています。 液晶構造が、有効成分をしっかりと抱え込み、肌の奥深くまで浸透させるのを助けるため、今まで以上に高い効果が期待できます。 このように、液晶乳化は、化粧品の可能性を大きく広げる技術として、今後ますますの発展が期待されています。
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美のベールで包み込む!多重エマルションのスキンケア効果
- 多重エマルションとは
まるで繊細な層が織りなすミルフィーユケーキのように、多重エマルションは、複数の層が重なり合った構造を持っています。通常、水と油のように、本来は混ざり合わない性質を持つ成分を、乳化剤という仲介役を用いることで、微細な粒状に分散させ、安定化させています。
一般的なエマルションは、水の中に油が分散している状態、またはその逆の状態を指しますが、多重エマルションは、さらに複雑な構造をしています。例えば、水の粒の中に、さらに小さな油の粒が分散している状態や、その逆の構造などが挙げられます。
この複雑で精巧な多重構造こそが、美容成分を肌の奥深く*(角質層まで)*まで効率的に届け、その効果を持続させる鍵となっています。それぞれの層に異なる美容成分を閉じ込めることで、肌の表面から奥*(角質層)*まで、段階的に成分を放出することが可能になります。
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メイクの土台!体質顔料の役割と進化
- 体質顔料とは体質顔料とは、ファンデーションや白粉といった、肌の欠点を隠し、美しさを引き出すベースメイク製品に使われる成分です。見た目の美しさだけでなく、心地よい使用感や製品の品質を保つ、いわば縁の下の力持ちのような存在です。体質顔料の主な成分は、タルク、カオリン、マイカなどの天然由来の鉱物です。これらの微細な粒子が、製品に様々な効果をもたらします。例えば、滑石とも呼ばれるタルクは、その滑らかな肌触りで、ファンデーションの伸びを良くし、ムラなく均一に塗布することを助けます。また、余分な皮脂を吸着する効果もあり、化粧崩れを防ぐ役割も担います。カオリンは、粘土鉱物の一種で、吸水性に優れています。そのため、汗や皮脂を吸収し、肌をサラサラとした状態に保ちます。さらに、ファンデーションの色を調整したり、カバー力を高めたりする効果も期待できます。マイカは、パールのような光沢を持つ鉱物です。ファンデーションに配合することで、上品なツヤを与え、肌を明るく見せる効果があります。また、光の反射によって、シワや毛穴を目立たなくする効果も期待できます。このように、体質顔料は、ベースメイク製品にとって欠かせない成分です。それぞれの特性を活かすことで、使い心地の良さ、美しい仕上がり、そして製品の品質維持に貢献しています。
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化粧品の使い心地を決める!縁の下の力持ち「増粘剤」
皆様は、化粧品を選ぶ際に、その滑らかさや、とろりとした感触を確かめられるのではないでしょうか。化粧水のように、さらりとした使い心地の化粧品もあれば、クリームのように、こっくりとした使い心地の化粧品もありますよね。このような、化粧品の使い心地を決める上で、陰ながら重要な役割を担っているのが「増粘剤」と呼ばれる成分です。
増粘剤は、読んで字のごとく、化粧品の粘度を調整するために配合される成分です。液体に溶け込むことで、その液体をとろみのある状態に変えたり、反対に粘度を下げてサラサラの状態にしたりすることができます。
この増粘剤が配合されることで、化粧品は私たちにとって、より使い心地のよいものへと変化します。例えば、化粧水に適度なとろみを与えることで、肌へのなじみを良くしたり、クリームの粘度を調整することで、肌への伸びを良くしたりすることが可能になります。
また、増粘剤は、化粧品の安定性を高める役割も担っています。化粧品の成分が分離してしまうのを防いだり、長期間品質を保持したりするためにも、増粘剤は欠かせない存在と言えるでしょう。
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アイライナー選びの秘密兵器!「切削性」で美ラインをゲット
- 滑らかで美しいラインを描くために
アイライナーは、目元の印象を大きく左右する大切な化粧品です。きりっとした目元、柔らかな目元、そして大きく見せることだって思いのままです。しかし実際に使ってみると、線がガタガタになってしまったり、力を入れすぎてまぶたを傷つけてしまったりと、難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな悩みを解決するのが、アイライナー選びの際に注目すべき「切削性」です。切削性とは、簡単に言えば、芯の硬さの度合いを表す言葉です。
切削性の高いアイライナーは、まるで鉛筆で書くように、軽い力で滑らかに描くことができます。そのため、まぶたへの負担を減らし、デリケートな目元を守ることができます。また、にじみにくく、美しいラインを長時間キープできるのも大きな特徴です。
一方、切削性の低いアイライナーは、線が太くなりがちで、ぼんやりとした印象を与えてしまうこともあります。
自分に合ったアイライナーを見つけて、理想の目元を手に入れましょう。
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美肌のカギは多重構造!?~多重エマルションのスキンケア効果~
- 多重エマルションとはまるで小さなカプセルが幾重にも重なった構造を持つ成分、それが多重エマルションです。通常の乳液やクリームなどは、水の中に油が溶け込んでいる状態、もしくはその逆の構造をしています。しかし多重エマルションは、さらに複雑な構造をしています。例えば、油の中に水が入っていて、さらにその水の中にまた油が入っている、といった具合です。これはちょうど、ロシアの民芸品であるマトリョーシカ人形のような、入れ子構造をイメージすると分かりやすいでしょう。このように、多重エマルションは複数の層から成り立っていることが大きな特徴です。では、なぜこのような複雑な構造をしているのでしょうか?それは、より多くの美容成分を効果的に肌に届けるためです。それぞれの層に異なる美容成分を閉じ込めることで、一度に複数の効果を期待できます。また、肌への浸透力や持続性も高まります。従来のエマルションよりも、さらに進化した多重エマルションは、私たちの肌に、より豊かで、より確実な効果をもたらしてくれるでしょう。
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滑らかさのカギ!切削性で選ぶアイライナー
毎日の化粧に欠かせないアイテムであるアイライナー。中でも、ペンシルタイプのアイライナーは、その手軽さから多くの人に愛用されています。しかし、いざ使ってみると「描き心地が硬くて線がうまく引けない」「芯がボロボロと崩れてしまう」といった経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか?
実は、ペンシルアイライナーの使い心地を大きく左右する要素の一つに「切削性」が挙げられます。聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは鉛筆を削る時の滑らかさや、芯が折れずに削り続けられる度合いを表す言葉です。
切削性が高いアイライナーは、シャープナーを使うと、まるで絹のように滑らかに削れます。そのため、常に尖った状態を保つことができ、狙い通りの繊細なラインを描くことができます。反対に、切削性が低いアイライナーは、シャープナーを使う際に引っかかりを感じたり、酷い場合には芯がボロボロと崩れてしまったりすることがあります。
つまり、美しいアイラインを描くためには、アイライナー選びの段階で切削性に注目することが重要なのです。滑らかな描き心地のアイライナーで、より魅力的な目元を演出しましょう。
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化粧品の使い心地を決める?「粘弾性」の秘密
- 粘弾性とは?
化粧品を選ぶとき、使い心地で決める方は多いのではないでしょうか? するすると伸びるクリーム、ぷるぷるとした感触の美容液など、心地よいと感じるテクスチャーには、実は「粘弾性」という性質が深く関わっています。
粘弾性とは、物質がもつ「粘性」と「弾性」という二つの性質を合わせたものです。
「粘性」とは、蜂蜜や水飴をイメージしてみてください。ゆっくりと流れる、形を変えにくい性質のことです。化粧品では、とろみのあるテクスチャーなどはこの粘性によるものです。
一方、「弾性」はゴムボールを思い浮かべてみましょう。力を加えると変形しますが、力を抜くと元の形に戻ります。この、力を加えると変形し、力を除くと元に戻る性質が弾性です。
粘弾性を持つ物質は、この粘性と弾性を併せ持っています。そのため、単に流れるだけでなく、ある程度の形状を保ったり、力を加えると反発するような独特の感触が生まれます。
化粧品において、この粘弾性は使用感に大きく影響します。例えば、クリームの伸びや肌への密着感、美容液のぷるぷるとした感触、口紅の滑らかさなどは、すべて粘弾性によって調節されています。
普段何気なく感じている化粧品の使い心地の良さには、実はこのような科学的な仕組みが隠されているのです。
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五感を研ぎ澄ます:化粧品開発における官能評価
- 分析型官能評価とは
化粧品は、ただ肌に塗るだけの物ではありません。色や香り、肌に載せた時の感触など、五感を刺激することで心を豊かにする側面も持ち合わせています。こうした数値化が難しい、感覚的な要素を評価するのが分析型官能評価です。
分析型官能評価は、訓練を受けた専門のパネラーが、視覚、嗅覚、触覚、味覚など、自身の五感をフル活用して化粧品の品質を評価する手法です。例えば、口紅なら、色の鮮やかさ、唇に塗った時の滑らかさ、香り、つけた後の保湿感など、様々な角度から評価が行われます。
この評価方法は、客観的な数値データでは測れない、人間の感覚に訴えかける製品の特性を捉えることができるため、化粧品開発において非常に重要な役割を担っています。具体的には、新製品の開発段階における試作品の評価、既存製品の品質管理、競合製品との比較分析などに活用されています。
分析型官能評価は、長年の経験と高度な知識を持つ専門のパネラーの存在が不可欠です。彼らは、それぞれの感覚を研ぎ澄まし、微妙な違いを言葉で表現するトレーニングを受けています。そして、その研ぎ澄まされた感覚と豊富な経験に基づき、製品の品質について客観的かつ詳細な評価を行います。
このように、分析型官能評価は、化粧品の品質を維持・向上させるために欠かせない評価手法と言えるでしょう。
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五感を研ぎ澄ます:分析型官能評価と化粧品開発
- 分析型官能評価とは
分析型官能評価とは、人間の五感を用いて化粧品の品質を評価する方法です。人間の五感、つまり視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を総動員して、化粧品のあらゆる側面を評価します。具体的には、色や形の美しさ、香りの好き嫌い、肌へのなじみやすさ、使用後の肌の感触などを、人間の感覚を通して細かく分析します。
例えば、口紅なら、見た目の鮮やかさ、唇への滑らかさ、塗った後の潤い感などを評価します。ファンデーションであれば、肌への伸びの良さ、カバー力、仕上がりの自然さなどが評価の対象となります。
分析型官能評価は、数値化が難しい官能的な特性を捉えることができる点が大きな特徴です。化粧品は、品質の良さだけでなく、使用感や心地よさも重要な要素となります。分析型官能評価は、このような数値では測れない、人間の感覚に訴えかける品質を評価できるため、化粧品開発において重要な役割を担っているのです。
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チキソトロピー:化粧品の使い心地の秘密
「チキソトロピー」という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれませんが、実は私たちの身の回りでよく見られる現象です。
例えば、化粧品の中でもリップグロスを思い浮かべてみてください。
容器から取り出した時は、とろりとした粘り気のある液体ですが、唇に塗る瞬間には、まるで魔法のように滑らかになりますよね?
実は、これがチキソトロピーの働きによるものなのです。
チキソトロピーとは、物質に力を加えると粘度が変化する性質のことです。
リップグロスも、チューブから押し出す力や唇に塗る際の力で粘度が変化することで、使い心地の良さを実現しています。
チキソトロピーは、リップグロス以外にも、ファンデーションやマスカラなど、様々な化粧品に活用されています。
ファンデーションの場合、肌に塗るときの伸びや密着感を高めるために、チキソトロピーの性質が利用されています。
また、マスカラでは、ダマにならずにまつ毛に均一に塗布できるように、チキソトロピーの性質が応用されています。
このように、チキソトロピーは、化粧品の使い心地や仕上がりに大きく影響する重要な要素の一つなのです。
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化粧品の使い心地を決める!縁の下の力持ち「増粘剤」
毎日のように使う化粧品ですが、製品によって、とろりとしたものや、さらりとしたものなど、さまざまな感触がありますよね。 この感触のことを「テクスチャー」と呼びますが、テクスチャーの違いを生み出すのに重要な役割を果たしているのが「増粘剤」です。
増粘剤は、その名前の通り、化粧品の粘度を調整するために配合される成分です。 化粧水のとろみをつけたり、クリームの硬さを調節したりと、幅広い製品に使用されています。
増粘剤には、天然由来のものと化学合成されたものがあります。 天然由来の増粘剤としては、植物から抽出される多糖類やタンパク質などが挙げられます。 一方、化学合成された増粘剤は、石油などを原料として人工的に作られています。
化粧品に配合される増粘剤は、製品のテクスチャーだけでなく、使用感や効果にも影響を与えます。 例えば、とろみのある化粧水は、肌にゆっくりとなじみ、保湿効果が長続きしやすい傾向があります。 また、クリームに増粘剤を加えて硬さを出すことで、伸びが良くなり、少量でも顔全体に広げやすくなります。
このように、増粘剤は、化粧品の使い心地や効果を左右する重要な成分と言えるでしょう。
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五感を満たす化粧品体験:サイコレオロジーへの招待
毎日のように使う化粧品。その使い心地が良いと、気分も上がりますよね?なめらかさ、しっとり感、みずみずしさ…。こうした心地よさは、実は感覚的なものだけでなく、科学的な裏付けがあるのです。
それを解き明かすのが「サイコレオロジー」。聞き慣れない言葉かもしれませんが、人の心理や感覚と、製品の物理的な特性との関係を探る学問です。化粧品の場合、このサイコレオロジーは、使用感と心の満足感の関係を深く探求します。
例えば、クリームの滑らかさ。単に成分だけで決まるのではなく、肌の上でどう伸びるか、抵抗感はどうか、といった要素が、私たちの「心地よい」という感覚に影響を与えます。また、香りは感情や記憶に結びつきやすく、リラックス効果や高揚感をもたらします。
サイコレオロジーに基づいた化粧品開発では、こうした感覚を数値化し、分析します。テクスチャーや香り、容器のデザインに至るまで、あらゆる要素が研究対象です。五感を刺激し、使う人の心を豊かにする。それが、サイコレオロジーの目指す化粧品です。
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化粧品における「応力緩和」の秘密
化粧品を選ぶ際、成分表示を熱心にチェックする方は多いでしょう。しかし、「応力緩和」という言葉を見かけることはほとんどないのではないでしょうか? あまり聞きなれない言葉ですが、この「応力緩和」は、実は化粧品の使い心地に大きく関係しているのです。
では、「応力緩和」とは一体何なのでしょうか? 物体に力を加えると、その物体内部に応力が発生します。この時、力を加えたままの状態を続けると、時間経過とともに応力が減少していく現象を「応力緩和」と呼びます。
化粧品の場合、肌に塗布した際に、この「応力緩和」という現象が起きます。例えば、クリームを肌に塗ると、最初は肌の表面に留まっていますが、時間の経過とともに肌になじんでいきますよね? これは、クリーム内部の応力が緩和し、肌の凹凸に馴染んでいくことで起こる現象なのです。
応力緩和が速やかに起こる化粧品は、肌への伸びが良く、塗った瞬間から心地よいフィット感を得られます。逆に、応力緩和が遅い化粧品は、肌への伸びが悪く、塗った際に重たさやベタつきを感じてしまうことがあります。
化粧品の使い心地は、配合されている成分の種類や量、製造方法など、様々な要因によって変化します。しかし、その中でも「応力緩和」は、使用感に直結する重要な要素の一つと言えるでしょう。
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