体温調節中

- 体温調節の仕組み 私たちの体は、健康を維持するために常に一定の体温を保つように精巧にできています。体温は一日を通して、あるいは活動量や周囲の気温によって微妙に変動しますが、この変動を一定範囲内に収めるのが体温調節機能です。 体温調節の中枢を担っているのは、脳の一部である視床下部と呼ばれる器官です。視床下部は、まるでエアコンのサーモスタットのように、体内や周囲の温度変化を敏感に感知し、体温を一定に保つために必要な指令を出します。 例えば、激しい運動をして体温が上昇すると、視床下部は皮膚の血管を広げて熱を体の外に放出しようとします。同時に、汗腺を刺激して汗を分泌することで、気化熱によって体温を下げようとします。逆に、寒い場所にいて体温が低下すると、視床下部は皮膚の血管を収縮させて熱の放散を抑え、筋肉を震わせることで熱を産生しようとします。 このように、体温調節は視床下部からの指令に基づいて、神経系、ホルモン、血管、汗腺などが協調して働く、非常に複雑で精緻なシステムなのです。このシステムのおかげで、私たちは暑さ寒さに柔軟に対応し、健康的な生活を送ることができるのです。