水蒸気蒸留法:香りの世界を拓く技術
- 植物の恵みを凝縮
植物が本来持つ豊かな香りは、私たちに癒しや活力をもたらす自然からの贈り物です。その香りのエッセンスを抽出し、様々な製品に利用するために古くから受け継がれてきたのが水蒸気蒸留法です。
水蒸気蒸留法では、まず新鮮なハーブや花々を蒸留釜に入れます。そして、釜の下から蒸気を送り込みます。すると、植物の細胞壁が蒸気の熱によって壊れ、中に閉じ込められていた貴重な芳香成分が水蒸気とともに蒸発するのです。
蒸発した水蒸気と芳香成分は、冷却装置を通ることで再び液体に戻ります。この液体には、水と芳香成分が混ざり合っていますが、水よりも軽い芳香成分は水面に浮かび上がります。これを丁寧に分離することで、純粋なエッセンシャルオイルを得ることができるのです。
水蒸気蒸留法は、熱に弱い成分を壊すことなく抽出できるため、植物の力を最大限に引き出すことができるという点で非常に優れています。そのため、アロマテラピーで使用する高品質なエッセンシャルオイルの抽出にも広く利用されています。
私たちが普段何気なく楽しんでいるアロマ製品には、このように自然の恵みと伝統的な技術が凝縮されているのです。