甘く官能的な香り。ペルーバルサムの秘密
中央アメリカに広がる熱帯雨林。その深い緑の中に、バルサムノキと呼ばれる木々が息づいています。バルサムノキからは、ペルーバルサムと呼ばれる、とろりとした樹脂が採れます。琥珀色のその液体からは、甘く芳醇な香りが漂い、人々を魅了してやみません。
ペルーバルサムの歴史は長く、古代アステカ時代から、その魅力的な香りは人々を虜にしてきました。その香りは、バニラのように甘く濃厚でありながら、そこにシナモンやクローブを思わせる、どこかスパイシーな香りが複雑に絡み合い、奥行きのある香りの世界を作り出します。このエキゾチックで神秘的な香りは、東洋的な雰囲気を演出するのに最適です。
香水などに使われることの多いペルーバルサムですが、実はその用途は多岐に渡ります。例えば、咳止めなどの医薬品や、タバコの香料としても使用されています。また、その優れた防腐効果を利用して、ミイラの保存にも用いられていたという記録も残っています。