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パーマネントウェーブ
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私たちは日頃から、ヘアアイロンやカーラーを使って、髪の毛を思い通りの形に整えていますね。しかし、その効果は一時的なもの。洗髪すれば、元の形に戻ってしまいます。もしも、自分の好みのヘアスタイルを、半永久的にキープできるとしたら…?
それを叶えてくれるのが、パーマです。
パーマは、一体どのような仕組みで、私たちの髪を思い通りにスタイリングしてくれるのでしょうか?
その秘密は、髪の毛の内部にある「ジスルフィド結合」にあります。
髪の毛は、主にケラチンと呼ばれるタンパク質でできています。このケラチン同士を繋ぎ合わせているのが、ジスルフィド結合です。
ジスルフィド結合は、まるで頑丈な橋のように、ケラチン同士をしっかりと結びつけ、髪の毛の形を維持する役割を担っています。
パーマ剤には、このジスルフィド結合を切断したり、再結合させたりする働きがあります。
まず、パーマ剤の1剤を塗布すると、ジスルフィド結合が切断され、髪の毛は形を変えることが自由になります。
次に、ロッドやカーラーで、好みの形に髪の毛を巻きつけます。
そして、パーマ剤の2剤を塗布すると、切断されていたジスルフィド結合が、今度はロッドやカーラーに沿った形で再結合します。
こうして、ジスルフィド結合の形が変化することで、私たちはまっすぐな髪をくるくるのカーリーヘアに、あるいはその逆に変えることができるのです。
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パーマネントウェーブの秘密兵器:塩酸システイン
- パーマ液の主役
「パーマ液」と聞いて、独特な香りとともに、髪が傷みそうというイメージを持つ方もいるかもしれません。確かに、強い薬剤であるがゆえ、使い方を間違えると髪に負担をかけてしまうこともあります。しかし、あの思い通りのウェーブヘアやサラサラのストレートヘアを実現するためには、実は緻密な化学の力が欠かせないのです。その立役者の一つが、今回ご紹介する「塩酸システイン」です。
私たちの髪は、主にケラチンというタンパク質でできています。このケラチンは、さらに多くのアミノ酸が鎖のようにつながって構成されています。そして、このアミノ酸同士をつなぐ重要な役割を担っているのが「シスチン結合」と呼ばれる結合です。 パーマをかけるためには、まずこのシスチン結合を切断し、髪の毛の形を一度リセットする必要があります。
ここで活躍するのが「塩酸システイン」です。塩酸システインは、シスチン結合を切断する働きを持つ成分です。パーマ液に含まれる塩酸システインが、髪の内部に浸透し、シスチン結合を切断することで、私たちの髪は自由自在に形を変えることができるようになるのです。
その後、ロッドで髪を巻きつけたり、ストレートアイロンで伸ばしたりすることで、希望通りのヘアスタイルを作っていきます。そして最後に、切断されたシスチン結合を再び結合させることで、新しい形を髪に記憶させるのです。
このように、パーマ液は、塩酸システインの働きによって、私たちの髪にウェーブやストレートヘアといった変身をもたらしてくれるのです。もちろん、髪への負担を最小限に抑えるためには、適切な施術とアフターケアが重要です。しかし、その裏側には、塩酸システインという物質の力強いサポートがあることを、ぜひ覚えておいてください。
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パーマ液のヒミツ!塩酸システインってどんな成分?
- 塩酸システインとは?私たちの体の中には、タンパク質を作るために欠かせない栄養素であるアミノ酸が存在します。そのアミノ酸の一つにシステインというものがあり、塩酸システインは、このシステインに塩酸が結びついたものを指します。塩酸システインは、医薬品や化粧品の分野で広く活用されています。医薬品としては、主に咳止めや痰を出しやすくする去痰薬として、錠剤やシロップなどの形で配合されています。また、解毒作用を持つことから、肝臓の働きを助ける医薬品や、アセトアミノフェンなどによる中毒の治療薬としても用いられています。一方、化粧品では、主に美白効果を期待して配合されます。シミの原因となるメラニンの生成を抑えたり、メラニンを無色化する作用を持つため、シミ・そばかす対策に有効な成分として、化粧水や美容液などに配合されています。また、コラーゲンの生成を促進する作用もあるため、肌にハリや弾力を与え、しわを改善する効果も期待できます。さらに、塩酸システインは抗酸化作用も持ち合わせており、紫外線などによる肌へのダメージを抑制し、肌の老化を防ぐ効果も期待できます。このように、塩酸システインは医療分野だけでなく、美容の分野でも広く活用されている成分です。
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