ハートノート

- 香りのシンフォニー香水は、目には見えない芸術と言えるでしょう。それは、まるで美しいシンフォニーのように、時間とともに変化する香りのハーモニーで私たちを魅了します。香水が肌に触れた瞬間、最初に香るのはトップノートと呼ばれる香りです。これは、オーケストラの華やかなファンファーレのように、軽やかで爽やかな香りが特徴です。しかし、トップノートはほんの短い時間の出演に過ぎません。やがて、主役であるミドルノートがそのベールを脱ぎ始めます。これは、楽曲でいうところの中心となるメロディーのような存在です。トップノートの華やかさから一転、より深く、複雑な香りが長時間持続します。フローラル系なら、咲き誇る花々を思わせる芳醇な香り、ウッディ系なら、静かな森を歩くような落ち着いた香りが、私たちを香りの世界へと誘ってくれるでしょう。そして、時間が経つにつれて、ラストノートと呼ばれる香りが穏やかに広がっていきます。これは、コンサートの余韻のように、優しく肌の上にとどまり、その香りは、身につけた人自身の香りとなって、忘れられない印象を残します。このように、香水は、トップノート、ミドルノート、ラストノートという三つの香りが織りなす、時間とともに変化する芸術作品と言えるのです。

- 香水の印象を決めるミドルノートとは 香水を選ぶ時、多くの人が最初に香るトップノートに意識を向けがちです。しかし、本当にその香水の印象を決めるのは、トップノートが揮発した後に現れるミドルノートです。 ミドルノートは、香水をつけてから約5分から30分後に香ってくる部分で、数時間持続するのが特徴です。トップノートの華やかさとは対照的に、ミドルノートは落ち着きがあり、その香水が持つ本来の香りを表現しています。そのため、香水の「心臓部」とも呼ばれることがあります。 ミドルノートは、フローラル系、シトラス系、ウッディ系など、様々な香りの系統が存在します。このミドルノートの香りの組み合わせによって、香水全体の印象が大きく変わるため、香水を選ぶ際には、トップノートだけでなく、ミドルノートにも注目することが大切です。 例えば、フローラル系のミドルノートは、女性らしく華やかな印象を与え、ウッディ系のミドルノートは、落ち着きのある知的な印象を与えます。このように、ミドルノートは、身に付ける人の個性を引き立てる役割も担っています。 香水を選ぶ際は、トップノートの第一印象だけでなく、ミドルノートが醸し出す香りの世界にも注目してみて下さい。きっと、あなたにぴったりの香水を見つけることができるでしょう。