ケルン

香水には、大きく分けて４つの濃度があります。それぞれの濃度によって、香りの強さや持続時間が異なり、つけるシーンに合わせて使い分けるのが一般的です。オーデコロンは、これらの香水の中でも、香りが最も軽やかで、爽やかな印象を与えるのが特徴です。 香水の香りの強さと持続時間は、香水に含まれる香料の濃度によって決まります。この香料濃度をvol％で表し、数字が大きいほど香りが強く、長く香りが持続します。オーデコロンの香料濃度は2〜7vol％と、香水の中でも低く設定されています。そのため、香水やオードパルファム、オードトワレと比較すると、香りが優しく、ふんわりと香るのが特徴です。 香りの持続時間は、香料濃度と比例し、オーデコロンの場合は約2〜3時間程度です。これは、他の濃度の香水と比較すると、短いと感じるかもしれません。しかし、香りが強すぎず、周囲を気にせず身につけられるという点でメリットとも言えます。オフィスや学校、病院など、強い香りが苦手な人がいる場所でも、周囲に配慮しながら香りを楽しむことができます。

- 歴史 香水の歴史は古く、古代エジプトまで遡ると言われていますが、私たちが現在イメージする香水とは異なるものでした。現代の香水に繋がる転機となったのが、18世紀にドイツのケルンで誕生した「オーデコロン」です。 当時、ヨーロッパでは疫病が猛威を振るっており、人々は感染の恐怖に怯えていました。その中で注目されたのが、アルコールによる消毒効果です。医療現場でも用いられていたアルコールに、香りをつけたものが「オーデコロン」の始まりとされています。 スッキリとした爽やかな香りが特徴のオーデコロンは、たちまち人々の心を掴み、瞬く間にヨーロッパ中に広まっていきました。そして、フランスに伝わると、かの有名なナポレオン Bonaparte も魅了され、贅沢に愛用したと言われています。彼の影響力もあってか、オーデコロンは上流階級の人々を中心に、広く愛されるようになりました。 その後、様々な香料や調香技術が開発されるにつれ、より複雑で洗練された香りが生み出され、香水は現代のように多種多様な進化を遂げていくことになります。