高齢者の肌の悩み、老人性乾皮症とは？

老人性乾皮症とは

– 老人性乾皮症とは

年齢を重ねると、肌の水分量が減少し乾燥しやすくなることで、様々な皮膚トラブルが起こりやすくなります。その中でも、特に高齢者に多く見られる皮膚の病気を「老人性乾皮症」と言います。この病気は、下肢に症状が現れるケースが多く見られます。

では、なぜこのような症状が現れるのでしょうか。

健康な肌は、肌の表面にある「角質層」と呼ばれる層が、水分をしっかりと保持することで乾燥を防いでいます。しかし、年齢を重ねるにつれて、肌の生まれ変わりである「ターンオーバー」のサイクルが遅くなってしまいます。すると、角質層の構造が乱れてしまい、水分を保持する力が低下してしまうのです。

さらに、肌に潤いを与えるために必要な皮脂を分泌する「皮脂腺」の機能も、加齢と共に低下してしまいます。その結果、皮脂の分泌量が減少し、肌の乾燥に拍車がかかってしまうのです。このように、加齢に伴う肌の機能低下が、老人性乾皮症を引き起こす主な原因と言えるでしょう。

老人性乾皮症の症状

– 老人性乾皮症の症状

老人性乾皮症は、加齢に伴い肌の水分や油分が減少し、乾燥しやすくなることで起こる皮膚の病気です。
主な症状として、まず挙げられるのは皮膚の乾燥です。肌の表面はつっぱり、白っぽく粉をふいたような状態になります。触るとザラザラとした感触があり、見た目にもかさつきが目立ちます。

このような乾燥状態が続くと、強いかゆみを伴うことがあります。かゆみに耐えきれず、患部を掻きむしってしまうと、肌に傷がつき、炎症を起こしやすくなってしまいます。炎症が悪化すると、赤い湿疹が現れることもあります。

さらに症状が進むと、皮膚の表面にひび割れが生じることがあります。ひび割れは浅いものから深いものまで様々ですが、深いひび割れは痛みを伴う場合もあり、細菌感染のリスクも高まるため注意が必要です。

老人性乾皮症は、適切なスキンケアを行うことで症状を改善できる可能性があります。気になる症状がある場合は、早めに皮膚科を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。

老人性乾皮症になりやすい時期

– 老人性乾皮症になりやすい時期老人性乾皮症は、文字通り加齢に伴って肌の水分や油分が減少し、乾燥しやすくなることで生じる症状です。そのため、一年を通して注意が必要ですが、特に空気が乾燥する冬季は悪化しやすい傾向にあります。冬場は気温が低下するのに伴い、空気中の水分量も減少し、肌から水分が奪われやすくなります。さらに、暖房器具の使用により室内の湿度が低下することも、肌の乾燥を促進させる要因となります。暖房の効いた部屋と外の気温差が大きい場合などは、肌への負担が大きくなってしまうため、注意が必要です。意外に思われるかもしれませんが、夏場でも老人性乾皮症の症状が悪化することがあります。強い日差しや紫外線は肌のバリア機能を低下させるため、乾燥しやすくなります。また、高温の環境下では汗をかく機会が増え、その汗が蒸発する際に肌の水分も一緒に奪ってしまうため、乾燥を招きやすくなります。さらに、エアコンの効いた部屋に長時間いると、肌の水分が奪われ、乾燥が進む可能性があります。このように、老人性乾皮症は季節を問わず、乾燥した環境に身を置くことで悪化する可能性があります。日頃から保湿を心がけ、肌の水分量を保つことが大切です。

老人性乾皮症への対策

– 老人性乾皮症への対策

加齢に伴い肌の水分量は減少し、乾燥しやすくなります。これが老人性乾皮症と呼ばれる症状です。老人性乾皮症は適切なケアを行わないと、かゆみや炎症を引き起こし、日常生活にも支障をきたすことがあります。そこで今回は、老人性乾皮症の原因と対策について詳しく解説していきます。

老人性乾皮症の原因は、加齢による皮脂分泌の減少と、肌の水分を保持する機能の低下にあります。これらの変化によって、肌は乾燥しやすくなり、外部からの刺激に弱くなります。

老人性乾皮症への対策として最も重要なのは、肌の保湿です。肌の水分を保つためには、保湿剤をこまめに塗布することが大切です。保湿剤には様々な種類がありますが、尿素やヘパリン類似物質などの保湿成分が配合されたものが効果的です。尿素は、肌の角質層に浸透し、水分を保持する働きがあります。また、硬くなった角質を柔らかくする効果も期待できます。一方、ヘパリン類似物質は、肌の表面に薄い膜を作り、水分の蒸発を防ぐとともに、肌に潤いを与えます。

保湿剤は、皮膚科で処方してもらうこともできますし、薬局やドラッグストアで購入することもできます。

保湿剤を選ぶ際には、自分の肌の状態に合ったものを選ぶことが大切です。乾燥がひどい場合は、保湿力の高いものを、敏感肌の場合は、刺激の少ないものを選ぶようにしましょう。 また、入浴後は肌の水分が失われやすい状態ですので、お風呂から上がったらすぐに保湿剤を塗るように心がけましょう。

正しいスキンケアと生活習慣を心がけ、乾燥を防ぎ、健康な肌を保ちましょう。

毎日のスキンケア

毎日のスキンケアは、年齢を重ねると共に気になる肌の乾燥を防ぎ、若々しいハリと潤いを保つためにとても大切です。

毎日のバスタイムも、少しの工夫で肌への負担を減らすことができます。熱いお湯は肌に必要な皮脂を奪い乾燥を悪化させてしまうため、ぬるめのお湯に短時間で浸かるようにしましょう。洗浄力の強いボディソープも、肌への刺激が強いため避け、低刺激性の石鹸やボディソープを選び、ゴシゴシこすらず優しく洗いましょう。

入浴後は、肌の水分が蒸発しやすくなっています。タオルでゴシゴシ拭かずに、優しく押さえるように水分を取り、すぐに保湿剤を塗布しましょう。保湿剤は、肌に潤いを与え、乾燥から守るだけでなく、外部の刺激から肌を守るバリア機能も高めてくれます。

生活習慣の改善

毎日の生活習慣を見直すことは、老人性乾皮症を予防し、症状を和らげるためにとても大切です。

特に気をつけたいのが、体への水分補給です。一日に必要な水分量である1.5～2リットル程度を目安に、こまめに水を飲むように心がけましょう。体の中から水分を補給することで、乾燥しがちな肌へ潤いを届けます。

食事の内容を見直すことも重要です。偏った食事ではなく、様々な栄養素をバランス良く摂取することで、肌の健康を保ちましょう。中でも、ビタミンAやビタミンEは、肌の健康を維持するのに効果が期待できるとされています。これらのビタミンを含む食品を積極的に食事に取り入れてみましょう。

睡眠不足やストレスは、肌の生まれ変わりを妨げ、乾燥をさらに悪化させる原因となります。十分な睡眠時間を確保し、ストレスを溜め込まないように、リラックスできる時間を持つように心がけましょう。