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使用感の秘密?サイコレオロジーの世界

コスメを知りたい

先生、「サイコレオロジー」って、化粧品の成分表に書いてあるのを見たことがあるんですけど、どんな成分なんですか?

コスメ研究家

実は、「サイコレオロジー」は成分の名前ではないんだよ。化粧品の使い心地を研究する分野のことなんだ。

コスメを知りたい

え、そうなんですか?成分表に書いてあったので、てっきり成分の名前かと…

コスメ研究家

例えば、クリームの「のび」や「肌触り」を良くするために、色々な成分を組み合わせて研究するんだけど、そういった研究分野を「サイコレオロジー」って言うんだよ。

化粧品の使い心地とサイコレオロジー

化粧品の使い心地とサイコレオロジー

毎日のメイクに欠かせない化粧品を選ぶとき、皆さんは何を基準にしていますか?色や効果はもちろんですが、「使い心地」も重要な決め手になるのではないでしょうか?毎日肌に触れるものだからこそ、心地よいテクスチャーや香りは、メイクの時間をより楽しくしてくれるはずです。

実は、この「使い心地」を、感覚ではなく科学的に分析する研究が進んでいます。それが「サイコレオロジー」と呼ばれる学問です。サイコレオロジーは、物質の変形や流れを扱うレオロジーと、人の心や行動を探る心理学を組み合わせた学問です。化粧品におけるサイコレオロジーは、テクスチャーや使用感など、人の感覚に影響を与える特性を研究対象としています。

例えば、クリームを肌に伸ばしたときの滑らかさや、ファンデーションの均一に広がる感じ、リップスティックの唇にフィットする感覚など、私たちが五感で感じる様々な要素を、数値やデータで分析します。

サイコレオロジーによって、化粧品の使い心地を客観的に評価できるようになることで、これまで以上に使い心地が良く、使う人の心を満たしてくれる化粧品の開発が可能になると期待されています。

項目 詳細
化粧品選びの基準 色や効果に加えて、使い心地も重要
サイコレオロジーとは 物質の変形や流れを扱うレオロジーと、人の心や行動を探る心理学を組み合わせた学問。
化粧品におけるサイコレオロジーは、テクスチャーや使用感など、人の感覚に影響を与える特性を研究対象とする。
サイコレオロジーの分析対象 クリームの滑らかさ、ファンデーションの均一さ、リップスティックのフィット感など
サイコレオロジーの効果 化粧品の使い心地を客観的に評価できるようになることで、使い心地が良く、満足度の高い化粧品開発が可能になる。

心地よさを数値化する

心地よさを数値化する

– 心地よさを数値化する心地よさ、それは私たち人間が製品を選ぶ上で非常に重要な要素です。しかし、この「心地よさ」はこれまで数値化することが難しく、客観的な評価が難しいとされてきました。そこで登場したのが、「サイコレオロジー」という新しい学問分野です。従来の物理的な評価に加え、人間の感覚や感情を分析に組み込むことで、「心地よさ」を数値化しようという試みです。では、具体的にどのように「心地よさ」を数値化していくのでしょうか?例えば、化粧品の使用感である「クリームの伸びの良さ」を評価したいとします。従来の方法では、一定の力でクリームを押し広げた際の広がり方を測定することで「伸びの良さ」を評価していました。これは、ある意味客観的な指標ではありますが、実際に人がクリームを肌に塗布する際の感覚とは異なる場合があります。一方、サイコレオロジーでは、人が実際にクリームを塗る際の指の動きや力加減、そして、その際に感じる感触を分析に組み込みます。特殊な機器を用いて、肌への摩擦や圧力、塗布時の音などを計測し、数値化することで、より人間の感覚に近い形で「伸びの良さ」を評価することが可能になります。さらに、脳波や心拍数、表情の変化などの生体情報を計測することで、心地よさを感じる度合いをより詳細に分析することもできます。これらのデータを組み合わせることで、これまで数値化が困難であった「心地よさ」を、より客観的かつ多角的に評価できるようになるのです。

項目 従来の方法 サイコレオロジー
評価対象 クリームの伸びの良さ クリームの伸びの良さ
評価方法 一定の力でクリームを押し広げた際の広がり方を測定 人がクリームを塗る際の
– 指の動き
– 力加減
-感じる感触
を分析

計測データ
– 肌への摩擦や圧力
– 塗布時の音
– 脳波、心拍数、表情の変化など

メリット 客観的な指標 人間の感覚に近い評価

開発現場でのサイコレオロジー

開発現場でのサイコレオロジー

化粧品開発の現場では、消費者に「心地よい」「美しい」と感じていただくことが何よりも大切です。しかし、感触や仕上がりといった感覚的な価値は、数値で表すことが難しく、開発者たちの大きな課題となっていました。
近年、この課題を解決する糸口として、人の心や行動を科学的に探求する「心理学」の一分野である「サイコレオロジー」が注目されています。
例えば、ファンデーションの開発において「軽いつけ心地なのに、しっかりカバーしてくれる」という理想の使用感を追求する場面を考えてみましょう。従来の方法では、開発者が感覚を頼りに試作品を評価し、言葉で伝えて改良を重ねていました。しかし、この方法ではどうしても個人差や主観が入ってしまい、多くの人に共通する「心地よさ」を実現することが困難でした。
そこで、サイコレオロジーの手法を用いることで、「軽い」「しっかり」といった感覚を脳波や皮膚の反応、視線の動きなどから客観的なデータとして取得できるようになります。これらのデータは、開発者にとって貴重な情報源となり、テクスチャーの調整や配合成分の見直しなど、製品開発に具体的な指針を与えてくれます。
このように、サイコレオロジーを活用することで、これまで感覚に頼っていた化粧品開発を、より科学的な根拠に基づいたものへと進化させることができるのです。

従来の化粧品開発の課題 サイコレオロジーの導入による解決策
感触や仕上がりといった感覚的な価値を数値で表すのが難しい。
開発者によって評価がばらつく可能性がある。
脳波、皮膚反応、視線などの測定データに基づき、感覚を客観的に評価できるようになる。
データに基づいた製品開発が可能になる。

サイコレオロジーの未来

サイコレオロジーの未来

化粧品開発において、消費者の心理や行動を探求する「サイコレオロジー」は、今後ますます重要な役割を担うと考えられています。これは、消費者が製品を選ぶ際に、成分や効果だけでなく、使用感や香り、ブランドイメージといった感覚的な要素を重視する傾向が強まっているためです。

近年、このサイコレオロジーの分野において、人工知能(AI)や機械学習といった最新技術を活用する動きが加速しています。膨大な量のデータ分析を得意とするこれらの技術を用いることで、従来の方法では見過ごされてきたような、消費者の無意識下の行動や心理状態までもが分析可能になりつつあります。

例えば、消費者が化粧品を使用した際の表情や脳波、視線の動きなどをAIで解析することで、心地よさや喜び、あるいは不満といった感情を、より客観的に数値化できるようになります。これらの分析データは、化粧品の使用感の向上や、一人ひとりの好みに合わせたテクスチャー、香り、パッケージデザインの開発などに役立てられ、消費者にこれまでにない満足感を与える製品を生み出す原動力となると期待されています。

サイコレオロジーは、今後もAIや機械学習といった革新的な技術と融合しながら、私たちに心地よさと美しさをもたらす化粧品の進化に、大きく貢献していくことでしょう。

化粧品開発におけるトレンド 詳細
消費者の心理重視 消費者は成分や効果だけでなく、使用感、香り、ブランドイメージといった感覚的な要素を重視する傾向があるため、化粧品開発において消費者の心理や行動を探求する「サイコレオロジー」が重要視されている。
AI・機械学習の活用 AIや機械学習を用いることで、消費者の表情、脳波、視線などのデータを分析し、感情を数値化することで、化粧品の使用感向上や、好みに合わせたテクスチャー、香り、パッケージデザイン開発が可能になる。