健やかな肌へ導く、層板顆粒の働きとは？

肌の構造と層板顆粒

私たちの肌は、まるでミルフィーユのように幾重にも重なった構造をしています。一番外側から、表皮、真皮、皮下組織の３つの層に分かれており、それぞれが重要な役割を担っています。
その中でも、外界からの様々な刺激に日々さらされている表皮は、私たちの体を守る最前線といえるでしょう。
表皮はさらに４つの層に分かれており、一番外側に位置するのが角質層と呼ばれる部分です。角質層は、細胞間脂質と呼ばれる脂質が、細胞同士をまるでレンガのように隙間なくつないでいます。この構造によって、肌内部の水分が蒸発するのを防ぎ、肌の潤いを保つとともに、細菌やウイルスなどの外部からの刺激の侵入を防ぐ、いわば「バリア機能」を担っています。
この角質層のバリア機能において重要な役割を果たす細胞間脂質ですが、それを作り出す源となるのが「層板顆粒」と呼ばれるものです。層板顆粒は、表皮の顆粒層にある細胞中に存在し、細胞間脂質の原料となる物質を蓄えています。そして、角質層へと移動する過程で、その物質を細胞の外へと放出することで、細胞間脂質を作り出し、肌のバリア機能を維持しています。
このように、層板顆粒は、健康な肌を保つ上で非常に重要な役割を担っているのです。

層板顆粒の重要な役割

私たちの肌は、表面から順番に表皮、真皮、皮下組織の３つの層で構成されています。一番外側にある表皮は、さらに４つの層に分かれており、その中でも顆粒層と呼ばれる層に存在するのが「層板顆粒」という小さな器官です。

層板顆粒は、肌の潤いを保ち、外部からの刺激から肌を守るために重要な役割を担っています。

層板顆粒は、細胞間脂質と呼ばれる脂質を豊富に含んでいます。細胞間脂質は、セラミド、コレステロール、脂肪酸など様々な成分で構成されており、これらは、例えるなら、レンガ造りの壁におけるセメントのような役割を果たしています。つまり、細胞間脂質は、肌の細胞と細胞の間をしっかりと繋ぎとめることで、肌のバリア機能を維持しているのです。

この細胞間脂質を生み出しているのが層板顆粒です。層板顆粒内で合成された細胞間脂質は、その後、細胞の外へと分泌され、規則正しく層状に配列することで、高いバリア機能を発揮します。このバリア機能のおかげで、私たちの肌は、紫外線や乾燥などの外部刺激から守られ、また、体内から水分が蒸発するのを防ぐことができるのです。

このように、層板顆粒は、健康な肌を維持するために欠かせない存在と言えるでしょう。

加齢による層板顆粒の変化

肌の一番外側にある角質層は、体内の水分を保ち、外部からの刺激から肌を守るバリア機能を担っています。このバリア機能を維持する上で重要な役割を果たしているのが、細胞間脂質と呼ばれる脂質成分です。細胞間脂質は、レンガとレンガの間を埋めるモルタルのように、角質細胞同士を tightly に結びつけ、角質層の構造を維持しています。

この細胞間脂質を生み出すのが、表皮細胞の中にある層板顆粒と呼ばれる小さな器官です。層板顆粒は、セラミドなどの細胞間脂質の構成成分を合成し、細胞の外へと分泌する働きを持っています。

しかし、残念なことに、加齢に伴い、層板顆粒の数は減少し、働きも低下してしまいます。その結果、細胞間脂質の生成が滞り、角質層のバリア機能が低下してしまいます。そして、肌は水分を保持する力が弱まり、乾燥しやすくなるだけでなく、外部からの刺激にも弱くなり、肌荒れを起こしやすくなってしまいます。これが、年齢を重ねるにつれて、肌の乾燥やごわつきが気になる方が多い理由の一つと言えるでしょう。

層板顆粒をサポートする成分

肌の一番外側にある角質層には、細胞と細胞の間を満たし、肌のバリア機能を維持する上で重要な役割を担う「層板顆粒」が存在します。
層板顆粒自体は化粧品に配合することはできませんが、その働きを助ける成分が配合されることがあります。

層板顆粒をサポートする成分として代表的なものは、細胞間脂質の構成成分です。細胞間脂質は、セラミド、コレステロール、脂肪酸などで構成されており、これらを補うことで、バリア機能を維持し、肌からの水分の蒸発を防ぎ、乾燥を防ぐ効果が期待できます。
また、外部からの刺激から肌を守る効果も期待できます。

その他にも、層板顆粒の生成を促す成分や、働きを助ける成分に関する研究が進められています。
これらの成分を配合した化粧品を使用することで、肌のバリア機能を健全に保ち、みずみずしく、すこやかな肌を保つことが期待できます。

毎日のスキンケアで健やかな肌を

毎日のスキンケアは、ただ漫然と行うのではなく、肌の仕組みを理解した上で取り組むことが大切です。健やかな肌を保つためには、肌の表面にある角質層が重要な役割を担っています。角質層の中には、細胞と細胞の間を接着剤のようにつなぐ「細胞間脂質」が存在し、その中に含まれる「層板顆粒」が、肌のバリア機能を維持するために欠かせない存在です。
層板顆粒は、セラミドなど保湿成分を豊富に含んでおり、肌に潤いを与え、外部からの刺激をブロックする役割を担っています。しかし、加齢や間違ったスキンケアによって層板顆粒が減少すると、肌のバリア機能が低下し、乾燥や肌荒れなどのトラブルを引き起こしやすくなります。
そこで、毎日のスキンケアでは、この層板顆粒の働きを意識することが重要になります。洗顔の際は、摩擦を起こさずに優しく洗い、保湿ケアでは、セラミドなど、バリア機能をサポートする成分を含む化粧品を選び、肌を丁寧に保湿しましょう。また、紫外線は層板顆粒の減少を加速させる要因となるため、日焼け止めを塗るなど、紫外線対策も欠かせません。
毎日のスキンケアに、層板顆粒を守るケアを取り入れることで、肌本来の力を引き出し、年齢を重ねても、健やかで美しい肌を保つことができるでしょう。