コスメを知りたい
先生、永久染毛剤って髪の色を抜くって書いてあるけど、どうやって色を抜いているんですか?
コスメ研究家
良い質問ですね。永久染毛剤には過酸化水素という成分が入っていて、これが髪の毛の色素を分解する働きをするんです。それで色が抜けていくんですよ。
コスメを知りたい
じゃあ、その後に染料を入れるってことですか?
コスメ研究家
その通り!過酸化水素で色を抜くと同時に、染料も髪の毛の中に入っていくんです。そして、その染料が髪の毛の中で発色することで、髪色が変わるんですよ。
永久染毛剤とは
– 永久染毛剤とは永久染毛剤は、その名の通り一度髪に色を入れると、長時間その色を保つことができる染毛剤です。多くのヘアカラー剤に採用されており、髪の色を大きく変えたい場合や、白髪をしっかりカバーしたい場合に適しています。永久染毛剤の特徴は、1剤と2剤を混ぜて使うという点にあります。1剤には、キューティクルを開き、染料を髪の内部まで浸透しやすくするアルカリ剤と、髪の色を変える染料が含まれています。染料には、主に酸化染料が用いられており、酸化反応によって発色する性質があります。2剤には過酸化水素などの酸化剤が含まれており、1剤と混ぜ合わせることでこの酸化反応が促進されます。1剤と2剤を混ぜると化学反応が始まり、酸化染料が酸化重合という反応を起こして大きな分子になります。この大きな分子は、髪の内部にしっかりと定着するため、簡単に色落ちすることがありません。これが、永久染毛剤が長持ちする理由です。しかし、その反面、髪のダメージが大きくなってしまうという側面も持ち合わせています。そのため、使用する際には、髪の状態や使用方法をよく確認する必要があります。
項目 | 内容 |
---|---|
種類 | 永久染毛剤 |
特徴 | 長時間色を保つ、1剤と2剤を混ぜて使う、酸化染料を使用 |
メリット | 髪の色を大きく変えたい場合や、白髪をしっかりカバーしたい場合に最適、簡単に色落ちしない |
デメリット | 髪のダメージが大きくなる可能性 |
その他 | 髪の状態や使用方法をよく確認する必要がある |
染色のメカニズム
– 染色のメカニズム
髪を思い通りの色に染め上げるには、複雑な化学反応を利用したプロセスが必要です。普段何気なく行っているヘアカラーも、実は奥深いメカニズムによって成り立っています。
永久染毛剤の場合、大きく分けて二つの段階を経て色が定着します。
第一段階は、過酸化水素水の働きによるものです。過酸化水素水は、私たちの髪本来の色素を分解する力を持っています。これを「脱色」と呼びます。この段階を経ることで、髪の色は明るくなり、次の段階で染料が入りやすくなります。
第二段階では、酸化染料と呼ばれるものが活躍します。酸化染料は、それ自体は色のついていない物質ですが、第一段階で使用した過酸化水素水と反応することで、鮮やかな発色を見せるようになります。小さな酸化染料の分子は、髪の内部に入り込み、そこで互いに結合して大きな分子へと変化します。これが「酸化重合」と呼ばれる現象で、この過程を経て、染料は髪にしっかりと固定されるのです。
このように、二つのステップを経て、私たちは元の髪色よりも明るい色に髪を染めることができるのです。
段階 | プロセス | 試薬 | 作用 |
---|---|---|---|
1 | 脱色 | 過酸化水素水 | 髪本来の色素を分解し、髪の色を明るくする。 |
2 | 酸化重合 | 酸化染料 | 過酸化水素水と反応して発色し、髪の内部で結合して大きく変化することで髪に定着する。 |
染毛効果に影響を与える要素
髪の色を永久的に変えるヘアカラー剤の効果は、様々な要素によって左右されます。色が思い通りに染まるかどうかは、薬剤の性質や施術方法、そして髪の毛の状態によって大きく変わってきます。
まず、ヘアカラー剤の液性は、色の入り方に大きく影響します。アルカリ性の強い薬剤ほど、髪の表面を覆うキューティクルを開きやすく、染料が内部まで浸透しやすくなります。そのため、明るい髪色に染めたい場合や、白髪をしっかり染めたい場合には、アルカリ性の強い薬剤が選ばれます。
次に、ヘアカラー剤を塗布してから洗い流すまでの時間も重要です。時間が短すぎると染料が十分に浸透せず、色が薄くなってしまいます。逆に、時間が長すぎると髪が傷んでしまう可能性があります。
さらに、温度も重要な要素です。温度が高いほど、薬剤の反応が促進され、色が入りやすくなります。しかし、高温になりすぎると髪が傷んでしまうため注意が必要です。
また、塗布量も適切に調整する必要があります。塗布量が少なすぎると、色がムラになってしまうことがあります。逆に、多すぎると頭皮への負担が大きくなり、かゆみやかぶれの原因になることがあります。
最後に、髪の太さや量、ダメージの程度によっても、色の入り方は異なります。髪が太くて量が多い場合は、染まりにくい傾向があります。また、ダメージが大きい髪は、染料が過剰に浸透しやすく、色が濃くなりすぎる場合があります。
このように、ヘアカラーの効果は様々な要素に影響されます。自分の髪質や希望する髪色に合った薬剤を選び、適切な方法で施術することが大切です。
要素 | 詳細 |
---|---|
液性 | – アルカリ性が強いほどキューティクルが開きやすく、染料が浸透しやすい。 – 明るい髪色や白髪染めにはアルカリ性の強い薬剤が適している。 |
放置時間 | – 短すぎると染料が浸透せず色が薄い。 – 長すぎると髪が傷む可能性がある。 |
温度 | – 高温ほど薬剤の反応が促進され色が入りやすい。 – 高温になりすぎると髪が傷む。 |
塗布量 | – 少なすぎると色がムラになる。 – 多すぎると頭皮への負担が大きくなり、かゆみやかぶれの原因になる。 |
髪の状態 | – 太さや量が多いと染まりにくい。 – ダメージが大きい髪は染料が過剰に浸透しやすく、色が濃くなりすぎる場合がある。 |
髪への負担を軽減する中性カラー
美しい髪色を楽しむためには、髪への負担をできるだけ抑えることが大切です。従来のヘアカラー剤の多くは、アルカリ性と呼ばれる性質のものでした。アルカリ性はキューティクルを開き、染料を髪の内部まで浸透させる力に優れているため、鮮やかな発色を得やすいというメリットがあります。
しかしその一方で、アルカリ性の薬剤は髪のタンパク質を分解する作用も持ち合わせています。そのため、繰り返し使用することで髪が傷みやすくなり、パサつきや枝毛、切れ毛などの原因となる可能性がありました。
近年注目されているのが、「中性カラー」と呼ばれるヘアカラー剤です。従来のアルカリカラーとは異なり、中性付近のpHで染毛を行うのが特徴です。髪への負担を軽減しながら染毛できるため、ダメージヘアの方や、髪質が弱い方でも安心してカラーリングを楽しむことができます。
中性カラーは、従来のアルカリカラーに比べて染料の浸透力が穏やかなため、髪への負担を軽減しながら、自然な仕上がりになることが多いです。また、繰り返し染めても傷みにくいというメリットもあります。
髪への優しさを重視する方は、美容院で相談する際に、「中性カラー」を検討してみてはいかがでしょうか。
項目 | アルカリカラー | 中性カラー |
---|---|---|
特徴 | キューティクルを開き、染料を髪の内部まで浸透させる | 中性付近のpHで染毛を行う |
メリット | 鮮やかな発色を得やすい | 髪への負担軽減 ダメージヘア、髪質が弱い方でも安心 |
デメリット | 髪が傷みやすく、パサつきや枝毛、切れ毛の原因となる可能性 | アルカリカラーに比べて染料の浸透力が穏やか |
その他 | 従来のヘアカラー剤の多くはこのタイプ | 自然な仕上がり 繰り返し染めても傷みにくい |
推奨 | – | 髪への優しさを重視する方 |
医薬部外品としての分類
– 医薬部外品としての分類
髪の色を長持ちさせるために使用する永久染毛剤ですが、実は医薬品と化粧品の中間に位置する「医薬部外品」に分類されています。
医薬品は病気の治療などを目的としており、人体への作用が強いものが多いのに対し、化粧品は人体への作用が穏やかなものがほとんどです。
その中間にある医薬部外品は、人体に対する作用が穏やかでありながら、ある特定の目的のために効果効能が認められているものを指します。
永久染毛剤の場合、配合されている酸化剤がその効能を示します。
酸化剤は、髪のメラニン色素を分解することで、染料を髪の内部まで浸透させ、色を定着させる役割を担っています。
この作用は、単なる見た目の変化を超えて、髪の構造に一定の変化を与えることから、人体への影響を考慮し、医薬部外品として扱われています。
そのため、永久染毛剤を使用する際は、商品の説明書をよく読み、パッチテストを行うなど、用法用量を守って正しく使うことが大切です。
安全に美しく髪を染めるために、医薬部外品としての特性を理解しておきましょう。
分類 | 特徴 | 例 |
---|---|---|
医薬品 | 病気の治療などを目的 人体への作用が強い |
– |
医薬部外品 | 人体に対する作用が穏やか 特定の目的のために効果効能が認められている (例:酸化剤によるメラニン色素の分解) |
永久染毛剤 |
化粧品 | 人体への作用が穏やか | – |