コスメを知りたい
先生、『化粧品品質基準』って、何ですか?
コスメ研究家
それは昔、化粧品にどんな成分をどれくらいまで使っていいかを決めていた規則だよ。今はもう使われていないんだけどね。
コスメを知りたい
へえ、今はもう使われていないんですか?どうしてですか?
コスメ研究家
うん。時代に合わせて、より安全性を高めるために新しい規則ができたからなんだ。今では『化粧品基準』というものに変わったんだよ。
化粧品品質基準とは
化粧品品質基準とは
化粧品品質基準とは、消費者を粗悪な化粧品から保護する目的で、1967年8月8日に当時の厚生省によって告示された、化粧品の品質に関する基準です。
当時は、化粧品に関する法律が未整備で、品質や安全性を確保するための明確なルールが存在しませんでした。
そこで、消費者が安心して化粧品を使用できる環境を整えるために、この基準が制定されました。
この基準では、化粧品の製造や販売において守るべき基準が具体的に定められています。例えば、使用が禁止されている成分、配合量を制限されている成分、製造過程で守るべき衛生基準などが細かく規定されています。
この基準の制定により、一定の品質を満たした化粧品が市場に出回るようになり、消費者の安全性が向上しました。
しかし、時代とともに化粧品の製造技術や成分も進化し、新たな問題が生じる可能性も出てきました。
そのため、現在では、この基準に加えて、より包括的な法律である「医薬品医療機器等法」(薬機法)が施行され、化粧品の品質、有効性、安全性の確保が図られています。
薬機法では、製造販売業者に対する許可制度や、製品の承認制度などが定められており、化粧品品質基準と合わせて、消費者を保護するための重要な役割を果たしています。
基準名 | 目的 | 内容 |
---|---|---|
化粧品品質基準 | 消費者を粗悪な化粧品から保護する | 使用禁止成分、配合量制限成分、製造過程の衛生基準などを規定 |
医薬品医療機器等法(薬機法) | 化粧品の品質、有効性、安全性の確保 | 製造販売業者に対する許可制度、製品の承認制度などを規定 |
基準の内容
– 基準の内容化粧品は、肌に直接つけるものだからこそ、その安全性が非常に重要視されています。そこで、消費者の健康を守るために、化粧品品質基準には、配合成分に関する様々なルールが定められています。まず、人体への有害性が明らかになっている成分については、配合が全面的に禁止されています。例えば、水銀や鉛といった重金属は、体内に蓄積されると健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、一切使用することができません。また、安全性が確認されている成分であっても、その量によっては肌への刺激やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。このようなリスクを最小限に抑えるため、香料や色素など、一部の成分については、配合できる量が厳密に制限されています。それぞれの成分の性質や人体への影響を考慮し、安全性が確保できる範囲内で、使用量が決められています。このように、化粧品品質基準は、消費者が安心して化粧品を使用できるよう、科学的な根拠に基づいて、配合成分を厳しくチェックする役割を担っています。
基準 | 目的 | 内容 |
---|---|---|
配合禁止成分 | 消費者の健康を守る | 水銀、鉛などの重金属など、人体への有害性が明らかになっている成分は、配合が全面的に禁止されています。 |
配合量制限成分 | 肌への刺激やアレルギー反応などのリスクを最小限に抑える | 香料や色素など、一部の成分については、配合できる量が厳密に制限されています。それぞれの成分の性質や人体への影響を考慮し、安全性が確保できる範囲内 で、使用量が決められています。 |
化粧品基準の制定
– 化粧品基準の制定
2001年4月1日、長年にわたり日本の医薬品、医薬部外品、化粧品の規制を行ってきた薬事法が大幅な改正を迎えました。この改正によって、それまで医薬品と医薬部外品の規制に重点が置かれていたのに対し、新たに化粧品に関する独立した規制が設けられました。これが「化粧品基準」の制定です。
この背景には、国際的な取引の増加や消費者の安全意識の高まりを受け、国際的に通用する品質と安全性の確保が求められるようになったということがあります。当時の日本の化粧品に関する規制は、国際的な基準と比べて緩い部分があり、国際的な整合性を欠くという指摘も少なくありませんでした。そこで、世界保健機関(WHO)が定める基準などを参考に、より高いレベルで消費者の安全と健康を守ることを目的として、化粧品基準が制定されるに至ったのです。
この化粧品基準の施行に伴い、それまで暫定的に運用されていた「化粧品品質基準」は廃止となりました。新しい基準は、製品の安全性確保のための製造管理、品質管理、表示に関する義務など、より具体的な内容を含むものとなりました。
この法改正は、日本の化粧品業界にとって大きな転換期となり、より安全性の高い製品の開発と供給、そして国際市場への進出を促進する原動力となりました。
日付 | 変更点 | 背景 | 目的 | 結果 |
---|---|---|---|---|
2001年4月1日 | – 薬事法改正により「化粧品基準」制定 – 「化粧品品質基準」廃止 |
– 国際的な取引の増加と消費者の安全意識の高まり – 国際基準との整合性の必要性 |
– 世界保健機関(WHO)基準を参考に、高いレベルで消費者の安全と健康を守る | – より安全性の高い製品の開発と供給 – 国際市場への進出促進 |
まとめ
かつて日本では、消費者が安心して化粧品を使えるよう、「化粧品品質基準」というものが定められていました。これは、口紅やファンデーションなど、様々な化粧品に使うことができる成分の種類や、その最大量を細かく指定したものでした。しかし、時代の変化とともに、この基準は廃止されることになりました。国際的な基準と整合性を図り、より安全性を高めるため、また、技術革新による新しい化粧品の開発を促進するためです。
とはいえ、「化粧品品質基準」が化粧品の安全確保に大きく貢献してきたことは間違いありません。この基準があったからこそ、日本の化粧品は高い安全性を保ち、消費者の信頼を得ることができたのです。その後制定された、より詳細な化粧品の基準も、この「化粧品品質基準」の考え方を土台にしています。
現在では、この基準は廃止されましたが、私たち消費者は、化粧品を選ぶ際に、その成分表示をよく確認する必要があります。安全な化粧品を選び、正しく使うことで、私たちは美しく健康な肌を保つことができるのです。
項目 | 内容 |
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旧制度(化粧品品質基準) |
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現行制度 |
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消費者への注意喚起 | 化粧品を選ぶ際には、成分表示をよく確認することが重要 |