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化粧品と環境問題:PRTR制度を知っていますか?

コスメを知りたい

先生、化粧品の成分表示で『PRTR』っていうのを見かけたんだけど、何のことですか?

コスメ研究家

良い質問ですね。『PRTR』は、正式には『特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律』、いわゆるPRTR法に基づいて管理されている化学物質のことです。環境を汚染する可能性がある化学物質を扱う工場などは、その物質をどれくらい使ったか、環境中にどれくらい排出しているかを国に報告することが義務付けられています。

コスメを知りたい

じゃあ、化粧品に環境を汚染する可能性のある成分が入っているってことですか?

コスメ研究家

心配しなくても大丈夫だよ。化粧品に使われる成分は、安全性が確認されたものだけを使っています。ただし、中には使い方や処理の仕方によっては環境に影響を与える可能性がある成分も含まれているので、表示しているんだよ。例えば、ヘアカラーなどに含まれる染料の中にはPRTRに該当するものもあるんだよ。

環境を守るためのPRTR制度とは

環境を守るためのPRTR制度とは

– 環境を守るためのPRTR制度とは

私たちが日々暮らす環境を守るためには、有害な化学物質による汚染を防止することが非常に重要です。そのための取り組みの一つとして、PRTR制度というものが存在します。PRTRとは、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」に基づいた制度のことで、企業などから環境中に排出される有害な化学物質の種類や量を把握し、管理することで、環境汚染を未然に防ぐことを目的としています。

この制度は1999年に制定され、対象となる事業者は、工場や事業所などから、PRTR制度で定められた特定化学物質を、製造、使用、廃棄などする際に、環境(大気、水、土壌)へ排出する量や、廃棄物として処理する量などを、毎年国に報告することが義務付けられています。具体的には、カドミウムやその化合物、鉛やその化合物など、人の健康や生態系への影響が懸念される物質が対象となっています。

この制度によって、有害化学物質の排出状況が把握されることで、排出量の削減や環境負荷の低減に向けた対策が進められることが期待されています。また、情報は公開されるため、企業は自社の環境への取り組みを積極的にアピールするようになり、環境に配慮した企業活動が促進される効果も期待できます。

制度名 目的 対象 義務 効果
PRTR制度
(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)
有害な化学物質による環境汚染の防止 工場や事業所などからPRTR制度で定められた特定化学物質を、製造、使用、廃棄などする事業者 環境(大気、水、土壌)への排出量や、廃棄物として処理する量などを、毎年国に報告 有害化学物質の排出状況の把握による排出量の削減や環境負荷の低減、企業の環境への取り組みのアピールによる環境に配慮した企業活動の促進

化粧品とPRTRの関係

化粧品とPRTRの関係

私たちが毎日使う化粧品。その中には、環境に影響を与える可能性のある化学物質が含まれている場合があります。これを管理するために設けられているのがPRTR制度です。PRTRとは、「特定化学物質の環境への排出量の把握等に関する法律」の通称で、企業は対象となる化学物質の環境への排出量や移動量などを国に報告することが義務付けられています。

身近な化粧品の中でも、ヘアカラーリング剤にはPRTR制度の対象となる化学物質が含まれていることがあります。その代表例がフェニレンジアミン類です。フェニレンジアミン類は、酸化染料と呼ばれるタイプの染料で、毛髪の中で酸化反応を起こすことで鮮やかな色を実現します。そのため、多くのヘアカラーリング剤に使用されています。

しかし、フェニレンジアミン類は、アレルギー反応を引き起こす可能性も指摘されています。皮膚への刺激や、かゆみ、発疹などの症状が出る人もいます。そのため、ヘアカラーリング剤を使用する際には、事前にパッチテストを行うなど、注意が必要です。

このように、私たちの生活を豊かにする化粧品ですが、環境や人体への影響も考慮する必要があります。企業はPRTR制度に基づいて化学物質の管理を徹底し、消費者は製品の成分表示をよく確認するなど、それぞれが責任を持って行動することが大切です。

項目 詳細
化粧品と環境問題 化粧品に含まれる化学物質の中には、環境に影響を与える可能性のあるものがある。
PRTR制度 特定化学物質の環境への排出量の把握等に関する法律。企業は対象となる化学物質の環境への排出量や移動量などを国に報告することが義務付けられている。
ヘアカラーリング剤とPRTR制度 ヘアカラーリング剤に含まれるフェニレンジアミン類は、PRTR制度の対象となる。
フェニレンジアミン類とは 酸化染料の一種で、毛髪の中で酸化反応を起こすことで鮮やかな色を実現する。多くのヘアカラーリング剤に使用されている。
フェニレンジアミン類のリスク アレルギー反応(皮膚への刺激、かゆみ、発疹など)を引き起こす可能性がある。
消費者の責任 ヘアカラーリング剤を使用する際には、事前にパッチテストを行うなど、注意が必要。製品の成分表示をよく確認することが大切。

消費者の私たちにできること

消費者の私たちにできること

地球環境の悪化や私たちの健康を守るためには、毎日の生活の中で私たち一人ひとりができることを実践していくことが重要です。特に化粧品は、毎日肌に直接つけるものだからこそ、より慎重に選ぶ必要があります。

商品を選ぶ際には、パッケージに記載されている成分表示をよく確認しましょう。難しい専門用語が並んでいて、一見分かりにくいかもしれません。しかし、環境や健康に影響を与える可能性のある化学物質が含まれていないか、注意深く見ていきましょう。例えば、PRTR制度と呼ばれる法律で、環境への排出量が把握されている化学物質があります。このような物質は、環境への負荷が大きい可能性がありますので、商品を選ぶ際の参考にすると良いでしょう。

また、毎日の使用量を必要最小限にすることも心がけましょう。適量を心がけることで、無駄な消費を抑え、環境負荷を減らすことに繋がります。使い終わった後の容器は、各自治体の分別方法に従って、適切に処理するようにしましょう。

さらに、環境問題に積極的に取り組んでいる企業の商品を選ぶことも大切です。環境に配慮した原料を使用していたり、容器にリサイクルしやすい素材を採用していたりするなど、企業の取り組みは様々です。企業の姿勢を知ることで、環境保護を意識した商品選びができるようになります。

私たちにできること 具体的な行動
環境や健康に影響を与える可能性のある化学物質を含んでいないか、成分表示を確認する
  • PRTR制度の対象物質などを参考に、環境負荷の大きい可能性のある化学物質が含まれていないか確認する
毎日の使用量を必要最小限にする
  • 適量を心がけることで、無駄な消費を抑え、環境負荷を減らす
使い終わった後の容器は、適切に処理する
  • 各自治体の分別方法に従って処理する
環境問題に積極的に取り組んでいる企業の商品を選ぶ
  • 環境に配慮した原料を使用しているか
  • 容器にリサイクルしやすい素材を採用しているか
  • 企業の取り組みを参考に、環境保護を意識した商品選びをする