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化粧品開発の裏側:CASと安全性

コスメを知りたい

先生、「化粧品の成分表示で『CAS』って見かけることがあるんだけど、これは何のこと?」

コスメ研究家

いいところに気がついたね! ‘CAS’は化学物質につけられた番号で、例えるなら、人が誰でも持っているマイナンバーのようなものなんだ。

コスメを知りたい

へえー、番号なんだ! 成分の名前だけじゃダメなの?

コスメ研究家

成分の名前は同じでも、作り方によって微妙に性質が異なる場合があるんだ。CAS番号があれば、世界共通でその成分を一意に特定できるから、研究や安全確認に役立つんだよ。

化粧品の成分表示とCAS番号

化粧品の成分表示とCAS番号

毎日のように使う化粧品。裏面を見ると、聞きなれないカタカナやアルファベットの成分名がずらりと並んでいますね。その中に、数字とハイフンで構成された番号を見たことはありませんか?それがCAS番号です。

CAS番号とは、正式名称を「Chemical Abstracts Service Registry Number(化学物質登録番号)」といい、アメリカ化学会の情報部門であるCASが、世界中の化学物質に対して割り当てている固有の番号です。CAS番号は、「〇〇-〇〇-〇」のように、ハイフンで区切られた数字の組み合わせで表記されます。

一つの化学物質には原則として一つのCAS番号が与えられます。そのため、世界共通の識別番号として、化学物質の特定や管理に役立っています。例えば、同じ成分でも、国や地域、メーカーによって呼び方が異なることがあります。しかし、CAS番号は世界共通なので、どの国のどの製品にも同じ番号で表示されます。

化粧品の成分表示にCAS番号が記載されていると、私たち消費者は成分についてより詳しく調べることができます。インターネットでCAS番号を検索すれば、その物質の化学的な性質や安全性に関する情報を得ることができ、より安心して化粧品を選ぶことができます。

項目 説明
CAS番号とは Chemical Abstracts Service Registry Number(化学物質登録番号)の略称で、アメリカ化学会の情報部門であるCASが、世界中の化学物質に対して割り当てている固有の番号。
「〇〇-〇〇-〇」のように、ハイフンで区切られた数字の組み合わせで表記される。
特徴 一つの化学物質には原則として一つのCAS番号が与えられるため、世界共通の識別番号として、化学物質の特定や管理に役立つ。
メリット 国や地域、メーカーによって呼び方が異なる成分でも、CAS番号を検索することで、その物質の化学的な性質や安全性に関する情報を得ることができ、より安心して化粧品を選ぶことができる。

CASは化学物質の戸籍簿

CASは化学物質の戸籍簿

– CASは化学物質の戸籍簿

アメリカの化学関連の学会が運営している機関に、CASというものがあります。ここは、世界中の化学物質に関する情報を一手に集めている場所です。

このCASが発行しているCAS番号というものがあります。
この番号は、世界中のあらゆる化学物質に対して、それがどんな物質なのかを特定するために与えられた、世界でたったひとつの番号なのです

例えば、私たちが普段使っている水は、化学式では「H₂O」と表されます。
しかし、世界には様々な呼び方があり、言語が違えば、同じ「水」であっても、全く異なる名前で呼ばれていることもあります。

CAS番号は、このような国際的な混乱を防ぎ、世界中の人々が同じ化学物質を共通認識するための、重要な役割を担っているのです

CAS番号は、新しい化学物質が発見されるたびに登録され、その数は増え続けています。
化学物質を扱うあらゆる分野において、このCAS番号はなくてはならないものとなっており、まさに化学物質の戸籍簿と言えるでしょう

CASとは CAS番号とは CAS番号の役割
アメリカの化学関連の学会が運営している機関。
世界中の化学物質に関する情報を集めている。
世界中のあらゆる化学物質に対して、それがどんな物質なのかを特定するために与えられた、世界でたったひとつの番号。 国際的な混乱を防ぎ、世界中の人々が同じ化学物質を共通認識するため。

化学物質を扱うあらゆる分野において、なくてはならないもの。

膨大なデータベース:2,100万件以上の情報

膨大なデータベース:2,100万件以上の情報

化粧品の処方設計や安全性評価において、膨大な化学物質情報は欠かせません。CAS (Chemical Abstracts Service) は、化学物質や関連情報を網羅した世界最大級のデータベースを提供しており、その収録数は2,100万件以上にも及びます。
CASデータベースには、化学物質の名称、構造式、物性データといった基本的な情報に加え、関連する論文や特許情報も紐づけられています。このため、ある成分が化粧品にどのように応用されているのか、安全性に関する研究はどの程度進んでいるのかといった情報も容易に入手できます。
例えば、新規成分を配合した化粧品を開発する場合、CASデータベースを用いることで、その成分の安全性に関する既存の研究データや、類似構造を持つ成分の情報を収集することができます。また、特許情報から、類似製品や競合他社の技術動向を把握することも可能です。このように、CASデータベースは、化粧品開発の効率化や安全性向上に大きく貢献しており、多くの企業や研究機関にとって不可欠なツールとなっています。

項目 内容
CAS (Chemical Abstracts Service) とは 化学物質や関連情報を網羅した世界最大級のデータベース (2,100万件以上)
収録情報 化学物質の名称、構造式、物性データ、関連論文、特許情報など
化粧品開発における活用例
  • 新規成分の安全性に関する既存の研究データや類似構造を持つ成分の情報の収集
  • 特許情報からの類似製品や競合他社の技術動向の把握
メリット 化粧品開発の効率化、安全性向上に貢献

安全性確保のための情報源

安全性確保のための情報源

– 安全性確保のための情報源

化粧品は、私たちの肌に直接触れるものだからこそ、その安全性については特に気を配りたいものです。毎日使うものだからこそ、配合されている成分が本当に安全なのか、自分の肌に合うのかどうか、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。

そんな時に役立つのが、「CAS番号」というものです。CAS番号とは、化学物質に割り当てられた固有の番号のこと。この番号を手がかりに調べると、その成分が過去にどのような研究をされてきたのか、安全性に関する情報があるのかどうかを確認することができます。

化粧品開発者はもちろんのこと、私たち消費者にとっても、CAS番号は製品の安全性を確認するための心強い味方と言えるでしょう。製品の成分表示をよく見て、気になる成分があればCAS番号を調べてみることをおすすめします。

安心できる情報源を参考に、安全で自分に合った化粧品選びを心がけましょう。

情報源 説明 メリット
CAS番号 化学物質に割り当てられた固有の番号
  • 成分の過去の研究情報を確認できる
  • 安全性に関する情報を確認できる
  • 製品の安全性を確認するのに役立つ

CAS番号から情報を読み解く

CAS番号から情報を読み解く

– CAS番号から情報を読み解く化粧品の成分表示にずらりと並んだカタカナを見ると、なんだか難しくてよく分からない、と感じてしまう方もいるかもしれません。しかし、中には私たち消費者にも理解できる手がかりが隠されています。それが「CAS番号」です。CAS番号とは、化学物質に割り当てられた固有の番号のこと。まるで、その物質だけの「住所」のようなものです。この番号は、世界共通で使用されています。普段何気なく使っている化粧品にも、このCAS番号は表記されています。一見すると、複雑な数字の羅列に圧倒されてしまうかもしれません。しかし、インターネットで検索してみると、その番号に紐づいた化学物質の情報が得られます。例えば、ある成分がどんな物質なのか、安全性はどうか、といった情報が分かります。今まで見過ごしていた成分も、調べてみると新たな発見があるかもしれません。「この成分は何からできているんだろう?」「肌に優しい成分なのかな?」といった疑問を解決する糸口になるでしょう。化粧品を選ぶ際に、成分表示を詳しく確認する方は多いと思います。しかし、成分名だけではイメージがわかないこともありますよね。そんな時こそ、CAS番号を活用してみましょう。インターネットで検索することで、より深く成分について知ることができます。そして、自分に合った化粧品選びの参考に繋がるはずです。

CAS番号とは 活用法 メリット
化学物質に割り当てられた固有の番号

世界共通で使用されている
インターネットで検索する
  • 成分がどんな物質なのか、安全性はどうかといった情報が分かる
  • 自分に合った化粧品選びの参考に繋がる