コスメを知りたい
先生、この「脱色剤」って、どんなものなんですか?
コスメ研究家
そうだね。「脱色剤」は、髪の色を明るくする薬剤のことだよ。髪を染める時に使うよね。髪の毛の中にあるメラニン色素を分解することで、髪の色を明るくするんだ。
コスメを知りたい
へえー。それで、種類があるって書いてありますけど、どんな種類があるんですか?
コスメ研究家
「脱色剤」には、大きく分けて1剤式、2剤式、3剤式の3種類があるんだ。最近では、より強い脱色効果を求めて、3剤式の「脱色剤」を使う若者も多いみたいだね。
脱色剤の仕組み
– 脱色剤の仕組み
私たちの髪の毛は、一見シンプルな構造に見えて、実は奥深いものです。中心部には、空洞になっている場合もある「毛髄質(もうずいしつ)」、その周りを包む「毛皮質(もうひしつ)」、そして最も外側を覆う「毛小皮(もうしょうひ)」の3層構造で成り立っています。まるで木の幹のように、中心から外側に向かって層を成しているのです。そして、私たちが普段目にする髪の色は、この「毛皮質」に存在するメラニン色素によって決まります。
メラニン色素には、黒髪に多く含まれる「ユーメラニン」と、赤毛に多く含まれる「フェオメラニン」の二種類があります。これらのメラニン色素の量や割合の違いが、黒髪や金髪、茶髪といった、個性豊かな髪色を生み出す源となっているのです。
脱色剤はこのメラニン色素に直接働きかけます。脱色剤に含まれる過酸化水素は、メラニン色素を分解する力を持っています。この過酸化水素が毛皮質に浸透し、メラニン色素を分解することで、髪の色は徐々に明るくなっていくのです。例えるならば、黒いインクで描かれた絵に、色を抜く薬品を使うと、インクの色素が分解され、絵が薄くなっていく様子と似ています。
しかし、メラニン色素の分解は、同時に髪の毛自体にも負担をかけることになります。髪の強度やツヤを保つ上で重要な役割を担うタンパク質も、過酸化水素の影響を受けてしまう可能性があるからです。そのため、脱色を繰り返すと、髪がパサついたり、切れやすくなったりすることがあります。美しい髪色を保ちつつ、健康な髪を維持するためには、脱色剤の適切な使用方法や、その後のヘアケアが重要になってくるのです。
項目 | 詳細 |
---|---|
髪の構造 | 毛髄質(中心部)、毛皮質(中間部)、毛小皮(外側)の3層構造 |
髪色の決定要因 | 毛皮質に存在するメラニン色素の種類と量 |
メラニン色素の種類 | ・ユーメラニン(黒髪に多い) ・フェオメラニン(赤毛に多い) |
脱色剤の仕組み | 脱色剤に含まれる過酸化水素が、毛皮質内のメラニン色素を分解することで髪を明るくする |
脱色剤のリスク | メラニン色素の分解と同時に、髪の強度やツヤを保つタンパク質も損傷し、髪のパサつきや切れ毛の原因となる |
脱色剤の種類
髪の色を明るくする脱色剤には、大きく分けて三つの種類があります。
まず、手軽に使えるのが「1剤式」と呼ばれるものです。
これは、薬局やドラッグストアなどで手軽に購入できます。
しかし、その手軽さの見返りとして、髪の毛の色素を抜く力が弱いという特徴があります。
そのため、ほんの少しだけ髪の色を明るくしたいという場合や、黒髪を明るい茶色にしたいという場合に適しています。
次に、「2剤式」と呼ばれるものがあります。
これは、1剤と2剤の二つの薬剤を混ぜ合わせて使うタイプです。
1剤には過酸化水素水、2剤にはアルカリ剤が含まれており、これらを混ぜ合わせることで強力な脱色力を発揮します。
そのため、1剤式では物足りない、もっと髪の色を明るくしたいという場合に用いられます。
最後に、「3剤式」と呼ばれるものがあります。
これは、2剤式にさらに髪の毛の色素を抜く力を高める成分を加えたもので、「ハイブリーチ」とも呼ばれます。
このタイプは、より強い脱色効果を求める場合、例えば、黒髪を金髪にしたいという場合などに用いられます。
しかし、その分、髪の毛への負担も大きくなってしまうため注意が必要です。
種類 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
1剤式 | 薬局等で購入可能 脱色力は弱い |
少しだけ髪を明るくしたい場合 黒髪を明るい茶色にしたい場合 |
2剤式 | 1剤と2剤を混ぜて使う 強力な脱色力 |
1剤式では物足りない、もっと髪を明るくしたい場合 |
3剤式(ハイブリーチ) | 2剤式に脱色力を高める成分を追加 髪の毛への負担が大きい |
より強い脱色効果を求める場合 黒髪を金髪にしたい場合 |
脱色剤の注意点
– 脱色剤の注意点脱色剤は、正しく使用すれば、髪の色素を抜いて明るくすることができる便利なアイテムです。しかし、使い方を誤ってしまうと、頭皮や髪の毛に大きな負担をかけてしまう可能性があります。安全に、そして美しい仕上がりを得るためには、これからご紹介する注意点にしっかりと目を通しておきましょう。まず、使用する前に必ずパッチテストを行いましょう。これは、腕の内側などの皮膚の薄い部分に少量の脱色剤を塗布し、48時間ほど様子を見るというテストです。万が一、赤みやかゆみなどの異常が出た場合は、使用を中止してください。パッチテストで問題がなければ、いよいよ脱色剤を使用します。この時、説明書をよく読み、記載されている使用方法や注意事項を必ず守ってください。自己流で量や時間を調整してしまうと、髪や頭皮に思わぬダメージを与えてしまう可能性があります。また、脱色剤は、使用回数が増えるほど髪への負担も大きくなります。一度で理想の色にしようとせず、数回に分けて徐々に明るくしていくことが、髪へのダメージを最小限に抑えるコツです。そして、脱色後のヘアケアも非常に重要です。脱色剤を使用すると、髪は乾燥しやすくなっています。そのため、トリートメントやヘアオイルなどを使い、髪に十分な栄養と潤いを与えましょう。毎日のヘアケアを丁寧に行うことで、パサつきや切れ毛を防ぎ、美しい髪色を長く楽しむことができます。
項目 | 注意点 |
---|---|
パッチテスト | – 使用前に必ず腕の内側に塗布し、48時間様子を見る – 赤みやかゆみが出たら使用中止 |
使用時の注意点 | – 説明書をよく読み、使用方法や注意事項を守る – 自己流の量や時間の調整は避ける – 一度に理想の色にしようとせず、数回に分けて徐々に明るくする |
脱色後のヘアケア | – トリートメントやヘアオイルで栄養と潤いを与える – 毎日のヘアケアでパサつきや切れ毛を防ぐ |
まとめ
髪の色を抜いて自由なヘアカラーを楽しむためには、脱色剤は欠かせないアイテムと言えるでしょう。しかし、その強力な効果ゆえに、使い方を誤ると髪や頭皮に大きな負担をかけてしまう可能性も秘めています。安全に、そして思い通りの髪色を手に入れるためには、脱色剤の特性を正しく理解し、使用方法をしっかりと守ることが重要です。
まず、使用する前に必ずパッチテストを行いましょう。肌の目立たない部分に少量塗布し、数時間後、もしくは指定の時間経過後に異常がないかを確認します。これは、アレルギー反応など、予期せぬトラブルから身を守るために非常に大切なプロセスです。
そして、実際に使用する際には、説明書をよく読み、適切な濃度や放置時間を守ることが大切です。必要以上に強い薬剤を使用したり、長時間放置したりすると、髪へのダメージが大きくなってしまいます。不安な場合は、無理をせず、美容院で施術を受けることをお勧めします。
脱色後も、美しい髪色を保つためには、ヘアケアを丁寧に行うことが重要です。脱色によって髪は乾燥しやすくなっていますので、保湿効果の高いシャンプーやトリートメントを使用し、潤いをしっかりと補いましょう。また、紫外線からも髪を守り、色落ちを防ぐために、ヘアオイルや洗い流さないトリートメントなどで、日頃からケアをすることが大切です。
これらのポイントを心掛けることで、脱色剤はあなたの理想の髪色を叶える、心強い味方となってくれるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
使用前 | – パッチテストの実施(肌の目立たない部分に塗布し、数時間後、もしくは指定の時間経過後に異常がないかを確認) |
使用時 | – 説明書をよく読み、適切な濃度や放置時間を守る – 不安な場合は、美容院での施術を検討 |
使用後 | – 保湿効果の高いシャンプーやトリートメントを使用する – 紫外線対策として、ヘアオイルや洗い流さないトリートメントを使用する |