化粧品の要！HLB値を解説

HLB値とは

– HLB値とはHLB値とは、Hydrophile-Lipophile Balance（親水性-親油性バランス）の略称で、界面活性剤の性質を見極める上で欠かせない指標です。界面活性剤は、水と油のように本来混ざり合わない物質同士を繋ぎ合わせ、均一に分散させる役割を担います。このため、化粧品はもちろんのこと、洗剤や食品など、実に様々な製品に配合されています。界面活性剤は、水になじみやすい部分（親水基）と、油になじみやすい部分（親油基）の両方を持ち合わせています。HLB値は、この親水性と親油性のバランスを数値で表したもので、0から20までの範囲で表されます。HLB値が低い（0に近い）ほど親油性が強く、油に溶けやすい性質を示します。逆に、HLB値が高い（20に近い）ほど親水性が強く、水に溶けやすい性質を示します。例えば、HLB値が低いものは、油汚れを落とすクレンジングオイルなどに、HLB値が高いものは、水に溶けやすくする乳化剤などに用いられます。HLB値を知ることで、その界面活性剤がどのような性質を持ち、どのような用途に適しているかを判断することができます。化粧品を選ぶ際などにも、配合されている界面活性剤のHLB値を参考にすると、より自分に合った製品を選ぶのに役立つでしょう。

HLB値の範囲と性質

化粧品や医薬品、食品など様々な分野で、水と油のように本来混ざり合わないものを混ぜ合わせるために乳化という技術が使われています。この乳化を実現するために重要な役割を担うのが界面活性剤です。界面活性剤は、分子内に水になじみやすい部分（親水基）と油になじみやすい部分（親油基）の両方を持ち、水と油の境界面（界面）に作用することで、水と油を均一に混ぜ合わせることを助けます。

界面活性剤の性質を表す指標の一つにHLB値（Hydrophile-Lipophile Balance）があります。HLB値は、0から20までの数値で表され、この値によって界面活性剤の親水性と親油性のバランスを知ることができます。HLB値が大きいほど親水性が強く、水に溶けやすい性質を持ちます。逆に、HLB値が小さいほど親油性が強く、油に溶けやすい性質を持ちます。HLB値が10を境に、10より大きい場合は親水性、10より小さい場合は親油性が強いというように判断できます。そして、HLB値が10に近い場合は、親水性と親油性のバランスが取れていることを示します。

HLB値は、乳化剤を選ぶ上で重要な指標となります。例えば、クリームや乳液など水の中に油を分散させるO/W型（水中油型）乳化には、HLB値の高い界面活性剤が、バターやマーガリンなど油の中に水を分散させるW/O型（油中水型）乳化には、HLB値の低い界面活性剤が適しています。このようにHLB値を理解することで、目的に合った乳化剤を選ぶことが可能になります。

化粧品におけるHLB値の重要性

私たちが日常的に使用している化粧品には、乳液やクリーム、クレンジングなど、水と油を混ぜ合わせて作られたものがたくさんあります。しかし、水と油は本来、仲良く混ざり合うことができません。そこで活躍するのが界面活性剤です。
界面活性剤は、水と油の境目に働きかけて、均一に混ざり合った状態を保つ役割を担っています。この働きによって、なめらかで使い心地のよい化粧品が作られているのです。
界面活性剤を選ぶ際には、「HLB値」という数値が重要になります。HLB値は、その界面活性剤がどの程度水になじみやすいか（親水性）、油になじみやすいか（親油性）を表す指標です。HLB値が大きければ親水性が強く、小さければ親油性が強くなります。
例えば、クリームを作るとき、HLB値の高い界面活性剤ばかりを使うと、水っぽく、油分が少ないクリームになってしまいます。逆に、HLB値の低い界面活性剤ばかりを使うと、油っぽく、べたつきが気になるクリームになってしまいます。
目指す化粧品の使用感や機能に合わせて、適切なHLB値を持つ界面活性剤を配合することが、化粧品の品質を左右する上で非常に重要です。

HLB値と用途の関係

– HLB値と用途の関係化粧品に配合される界面活性剤は、水と油のように本来混ざり合わないものを混ぜ合わせるために欠かせない成分です。この界面活性剤の性質を表す指標の一つにHLB値（Hydrophile-Lipophile Balance親水性-親油性バランス）があります。HLB値は、界面活性剤が持つ水になじみやすい「親水性」と、油になじみやすい「親油性」のバランスを数値で表したものです。

HLB値が低い場合は親油性が強く、逆にHLB値が高い場合は親水性が強くなります。

界面活性剤は、HLB値によって得意とする乳化のタイプが異なり、化粧品における用途も大きく変わってきます。

例えば、HLB値が3〜6程度と低い界面活性剤は、「水中油型乳化」に適しています。水中油型乳化とは、油を小さな粒状にして水の中に分散させることです。このタイプの乳化剤は、油性の汚れを落とすクレンジングクリームや、日焼け止めなどに利用されます。

一方、HLB値が8〜18程度と高い界面活性剤は、「油中水型乳化」に適しています。油中水型乳化とは、水を小さな粒状にして油の中に分散させることです。このタイプの乳化剤は、肌に潤いを与える乳液やクリームなどに利用されます。

このように、HLB値は、化粧品の処方設計や製品の特性を理解する上で非常に重要な指標となります。HLB値を理解することで、それぞれの化粧品に最適な界面活性剤を選ぶことができ、より効果的な製品開発に繋がります。

HLB値で化粧品選びをもっと楽しく

普段あまり耳にすることのない「HLB値」という言葉ですが、実は化粧品選びに役立つ情報なんです。

HLB値とは、簡単に言うと、水と油に対する馴染みやすさを数値化したものです。数値が低いほど油に馴染みやすく、高いほど水に馴染みやすいという性質を持っています。

化粧品の成分表示をよく見てみると、「界面活性剤」という表記を見つけることができます。界面活性剤は、水と油のように本来混ざりにくいものを混ぜ合わせるために配合されており、洗顔料や乳液、クリームなど様々な製品に使用されています。

実は、この界面活性剤の働きやすさを示す指標となるのが「HLB値」なのです。HLB値を参考にすると、その化粧品がどのような使用感なのか、ある程度予測することができます。

例えば、クレンジングオイルのように油分をしっかり落としたい場合はHLB値の低いもの、化粧水のようにさっぱりとした使用感が好ましい場合はHLB値の高いものを選ぶと良いでしょう。

HLB値は、化粧品を選ぶ上での一つの目安に過ぎませんが、成分表示の見方や製品の特性を知ることで、より自分に合った化粧品選びを楽しむことができるでしょう。