コスメを知りたい
先生、化粧品の成分に『ホルモン』って書いてあるものがあるんですけど、どんなものなんですか?
コスメ研究家
良い質問ですね!ホルモンは、もともと私たちの体の中で作られる、ごく少量で体の働きを調整する物質です。化粧品に使われるホルモンは、主に『卵胞ホルモン』と呼ばれるもので、ニキビやふけ、皮膚の炎症を抑えたり、髪の毛の成長を促したりする効果があります。
コスメを知りたい
へえー、そうなんですね!じゃあ、ホルモン配合の化粧品を使うと、肌や髪に良い効果があるんですね!
コスメ研究家
その通りです。ただし、ホルモンは強力な働きがあるので、使う場合には、商品の説明をよく読んで、自分の肌や髪に合ったものを選ぶことが大切ですよ。
ホルモンとは?
– ホルモンとは?
私たちの体には、ごくわずかな量で大きな影響を与える、不思議な物質が存在します。それが「ホルモン」です。ホルモンは、血液の流れに乗り全身を巡りながら、体の様々な機能を調整する、言わば体の中の伝令役と言えるでしょう。
例えば、子供の身長が伸びたり、大人へと成長していく過程には、成長ホルモンが深く関わっています。また、朝はスッキリと目覚め、夜は自然と眠くなるといった睡眠と覚醒のリズムも、メラトニンというホルモンによって調整されています。
さらに、女性らしい丸みのある体つきや、男性らしい筋肉質な体つきも、それぞれの性に特有のホルモンの影響によるものです。妊娠や出産といった、生命の誕生に深く関わるプロセスにおいても、様々なホルモンが重要な役割を担っています。
このように、ホルモンは、私たちが健やかに生きていく上で欠かせない、非常に重要な役割を担っているのです。
化粧品に配合されるホルモン
化粧品に配合されるホルモンとして、女性の体の機能を調節する卵胞ホルモン(エストロゲン)が挙げられます。エストロゲンは、女性らしい丸みのある体つきや、肌のハリと潤いを保つために欠かせない役割を担っています。
しかし、加齢と共にエストロゲンの分泌量は減少していきます。その結果、肌の乾燥やたるみ、シワなどの老化現象が現れやすくなります。
そこで、化粧品にエストロゲンを配合することで、これらの肌トラブルを改善しようという試みがなされています。具体的には、ニキビやふけ、皮膚炎の抑制、脱毛の予防といった効果が期待され、化粧水やクリーム、育毛剤などに配合されています。
ただし、ホルモンは非常に強い作用を持つため、化粧品への配合量や使用方法は、医薬品医療機器等法(旧薬事法)によって厳しく規制されています。安全性を確保するために、配合量はごく微量に抑えられており、医薬品のような劇的な効果は期待できません。あくまでも、肌本来の機能をサポートし、健やかな状態に導くための補助的な役割として捉えるべきです。
項目 | 内容 |
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成分 | 卵胞ホルモン(エストロゲン) |
効果・役割 | – 女性らしい丸みのある体つき – 肌のハリと潤いを保つ – ニキビ、ふけ、皮膚炎の抑制 – 脱毛の予防 – 肌本来の機能サポート |
配合される製品例 | 化粧水、クリーム、育毛剤など |
注意点 | – ホルモンは非常に強い作用を持つため、配合量や使用方法は医薬品医療機器等法(旧薬事法)によって厳しく規制されている – 配合量はごく微量に抑えられており、医薬品のような劇的な効果は期待できない – あくまでも、肌本来の機能をサポートし、健やかな状態に導くための補助的な役割として捉えるべき |
過去に配合が認められていたホルモン
かつて、「副腎皮質ホルモン」と呼ばれる種類のホルモンが化粧品に配合することが認められていました。このホルモンは、体の副腎という器官から分泌されるホルモンの一種で、炎症を抑える効果が非常に高いことから、湿疹や皮膚炎などの治療薬として医療現場で広く使われてきました。
その高い効果に着目し、化粧品にもこの成分が配合されるようになったのですが、長期的に使用することで、皮膚に思わぬ影響を及ぼす可能性が懸念されるようになりました。具体的には、皮膚が薄くなったり、毛細血管が拡張して赤みが出やすくなったりするなどの副作用が報告されるようになったのです。
このような状況を受け、安全性を第一に考えた結果、現在では化粧品への副腎皮質ホルモンの配合は法律で禁止されています。かつては効果の高い成分として期待されていたものの、健康上のリスクを考慮して使用が制限されることとなったのです。
項目 | 内容 |
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成分名 | 副腎皮質ホルモン |
効果 | 炎症を抑える効果が高い(湿疹、皮膚炎の治療薬) |
副作用 | 皮膚が薄くなる、毛細血管が拡張して赤みが出やすくなる |
化粧品への配合 | かつては認められていたが、現在は法律で禁止されている |
化粧品を選ぶ上での注意点
毎日のように使う化粧品は、私たちの肌に直接影響を与えるもの。だからこそ、自分に合ったものを見極め、正しく使うことが何よりも大切です。
特に、特定の効果効能を期待して作られた化粧品を選ぶ際には、注意が必要です。例えば、ホルモンに作用する成分が配合された化粧品の場合、肌質によっては、期待していた効果が得られないばかりか、逆に肌トラブルを引き起こしてしまう可能性も考えられます。このような事態を防ぐためにも、購入前に必ずパッチテストを行い、自分の肌との相性を確かめるようにしましょう。
また、ホルモンバランスが大きく変化する妊娠中や授乳中の使用は控えるのが賢明です。この時期は、肌が過敏になっている場合が多く、普段は問題なく使えている化粧品でも、刺激を感じたり、アレルギー反応が出てしまったりする可能性があります。
そして、どんな化粧品にも共通して言えることですが、使用上の注意書きをよく読み、指示された量や使用方法を必ず守ってください。自己判断で量を増やしたり、使用頻度を高くしたりすることは避けましょう。
万が一、使用中に肌に異常を感じたり、使用に関して不安な点が出てきたりした場合は、自己判断せずに、すぐに医師や薬剤師に相談するようにしてください。
状況 | 注意点 |
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化粧品全般 |
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ホルモンに作用する成分配合の化粧品 |
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妊娠中・授乳中 |
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