化粧品の指定成分って？知っておきたい表示のヒミツ

指定成分とは

– 指定成分とは化粧品を選ぶ際、パッケージの裏にびっしりと書かれた成分表示をチェックする方は多いでしょう。たくさんの成分名の中でも、「指定成分」という言葉を目にしたことはありませんか？ 指定成分とは、厚生労働省が定めた、アレルギーなどの皮膚トラブルを引き起こす可能性のある成分のことです。私たちの肌は、体の中でも特にデリケートな部分です。そのため、化粧品に含まれる成分によっては、かゆみやかぶれ、発疹などの好ましくない反応が出てしまうことがあります。指定成分は、すべての人に必ず皮膚トラブルが起こるわけではありませんが、過去に化粧品によって肌トラブルを経験したことがある人や、特定の成分に敏感な人にとっては、注意が必要な成分と言えるでしょう。現在、指定成分として定められている成分は102種類あります。化粧品メーカーは、これらの成分を含む製品を販売する際、消費者が一目でわかるように、成分名をパッケージに明記することが義務付けられています。指定成分の表示は、消費者が安全に化粧品を選び、使用するための重要な情報源となっています。指定成分を知り、自身の肌に合った化粧品選びをすることは、健康で美しい肌を保つための第一歩と言えるでしょう。

指定成分表示の背景

– 指定成分表示の背景

1980年代、日本では経済成長とともに化粧品産業が大きく発展し、人々の生活に様々な化粧品が溢れるようになりました。しかしその一方で、化粧品に含まれる成分が原因で、肌荒れやかぶれなどの皮膚トラブルを訴える人も増加していました。

当時の消費者は、どのような成分が配合されているのか、商品を選ぶ際に情報を得ることが難しく、安全性を自分で判断することが困難でした。そのため、自分自身の肌に合う化粧品を安心して選ぶことができるよう、商品の成分表示を求める声が年々高まっていったのです。

こうした背景を受けて、1980年に旧厚生省（現在の厚生労働省）は、消費者の安全を守るための取り組みとして、化粧品への指定成分表示を義務付けました。これは、当時、アレルギーなどの健康被害を引き起こす可能性があるとされていた102種類の成分について、化粧品に含まれている場合には、その名称を表示することを製造業者に義務付けたものです。

指定成分表示は、消費者が自分の肌質や体質に合った化粧品を選び、安全に使用する上で、重要な役割を果たすこととなりました。

すべての成分表示の義務化

2001年という、今から20年以上も前から、化粧品の成分表示は、一部の成分だけでなく、すべての成分を記載することが義務付けられています。これは、これまで以上に消費者が、自分の肌に良い影響を与える成分や、逆に、肌に合わない成分を、より正確に見極められるようにするための取り組みです。

以前は、配合量が多い順に記載されていましたが、今では、配合量に関わらず、すべての成分が表示されています。そのため、消費者は、これまで以上に多くの情報を得て、自分にぴったりの化粧品を選ぶことができるようになりました。

化粧品を選ぶ際には、ぜひ成分表示にも注目し、自分の肌質や悩みに合った成分が配合されているか、逆に、避けるべき成分が含まれていないかを確認してみましょう。成分表示を正しく理解することで、より安全で効果的なスキンケアを行うことができます。

賢い化粧品選びのために

毎日のように使う化粧品。せっかくなら、自分の肌に合った、本当に良いものを選びたいですよね。でも、たくさんの商品が並ぶ中で、どれを選べばいいのか迷ってしまうことはありませんか？そんな時は、ぜひ成分表示を見てみましょう。

成分表示は、いわば化粧品のレシピのようなもの。どんな成分が、どのくらいの量で配合されているのかがわかります。最近は、「指定成分表示」と「全成分表示」の2種類があります。指定成分表示は、アレルギーなどのリスクが高いとされる成分のみを表示するのに対し、全成分表示は、その名の通り全ての成分を表示します。より詳しく成分を知りたい場合は、全成分表示されている商品を選ぶとよいでしょう。

成分表示を見ることで、自分の肌に合わない成分や、逆に求める効果を持つ成分を配合した化粧品を選ぶことができます。例えば、乾燥肌の人は保湿成分であるセラミドやヒアルロン酸が含まれているか、ニキビができやすい人は抗炎症作用のあるグリチルリチン酸２Kなどが配合されているか、などを確認すると良いでしょう。

自分の肌の特徴や体質を理解し、成分表示を参考にしながら化粧品を選ぶこと。これが、美肌への第一歩です。