その他

もう使われていない?化粧品原料基準について解説

コスメを知りたい

先生、「化粧品原料基準」って、今はもう使われていないんですよね?

コスメ研究家

そうだよ。平成13年の薬事制度の改正で廃止されたんだ。

コスメを知りたい

廃止されたなら、今は何を参照すればいいんですか?

コスメ研究家

今は、「日本化粧品工業連合会」が発行している『化粧品成分表示名称辞典』や、国際的に統一された名称を定めた『国際化粧品原料名辞典(ICID)』が使われているよ。

化粧品原料基準とは

化粧品原料基準とは

– 化粧品原料基準とは

化粧品原料基準(粧原基)とは、かつて日本で化粧品の製造において、配合が認められる原料の基準を定めた国の公式な通知のことです。この基準は、国民の健康と安全を守るために、厚生省(現在の厚生労働省)によって定められていました。

化粧品原料基準は、化粧品の安全性と品質を確保する上で重要な役割を担っていました。具体的には、化粧品に配合することができる原料の種類や、その品質、安全性に関する基準が細かく定められていました。

例えば、原料の正式な名称や定義、外観や性質、品質を確認するための試験方法、不純物の許容量、有効成分の含有量などが事細かに規定されていました。

しかし、近年は国際的な基準との整合性や、技術革新への対応力などの観点から、この化粧品原料基準は廃止され、より柔軟で国際的な基準に適合したシステムへと移行しました。

項目 内容
定義 かつて日本で化粧品の製造において、配合が認められる原料の基準を定めた国の公式な通知
目的 国民の健康と安全の保護、化粧品の安全性と品質の確保
発行元 厚生省(現在の厚生労働省)
規定内容 – 原料の正式な名称や定義
– 外観や性質
– 品質を確認するための試験方法
– 不純物の許容量
– 有効成分の含有量
現状 廃止
より柔軟で国際的な基準に適合したシステムへ移行

基準の内容

基準の内容

– 基準の内容

化粧品原料基準は、口紅やファンデーション、化粧水など、様々な化粧品に使われる、ありとあらゆる原料について定められた規則です。

具体的には、原料が安全なものかどうか、品質が保たれているかどうかを判断する基準が、それぞれの原料ごとに細かく決められています。

例えば、口紅に使われる赤い色素など、人体への影響が心配される成分については、特に厳しいルールが設定されています。

また、時代の流れとともに新しい原料が開発されることも珍しくありません。化粧品原料基準は、新しい技術や成分に対応できるよう、常に最新の情報が反映される仕組みとなっています。

項目 内容
基準の対象 口紅、ファンデーション、化粧水など、様々な化粧品に使われるありとあらゆる原料
基準の内容 – 原料の安全性
– 品質の担保
具体的な例 – 口紅に使われる赤い色素など、人体への影響が心配される成分には厳しいルールを設定
– 新しい技術や成分に対応

基準の廃止

基準の廃止

– 基準の廃止

2001年(平成13年)4月1日、それまで化粧品の製造にあたり、配合できる成分と配合量を細かく定めていた「化粧品原料基準」が廃止されました。これは、当時の薬事法の改正に伴うもので、国際的な基準との整合性を図り、規制を緩和することで、化粧品業界の活性化を促す狙いがありました。

この改正以前は、企業は基準に沿って化粧品を開発・製造する必要があり、新規成分の採用や、配合量の調整に制限がありました。しかし、基準の廃止により、企業はより自由に原料を選択し、多様なニーズに対応した製品を開発できるようになりました。

一方で、規制緩和は、企業にとって大きな責任を伴うことになりました。原料の安全性確保は、企業自身で行う必要があり、万が一、安全性を欠いた製品を販売した場合、企業は厳しい責任を負うことになります。そのため、企業は、自主的に安全性の高い原料を選択し、厳格な品質管理体制を構築することが求められるようになりました。

変更点 目的 メリット デメリット
化粧品原料基準の廃止 (2001年4月1日) 国際的な基準との整合、規制緩和による化粧品業界の活性化 企業は自由に原料を選択し、多様なニーズに対応した製品開発が可能になる 企業は原料の安全性確保を自身で行う必要があり、責任が大きくなる

廃止後の影響

廃止後の影響

– 廃止後の影響

かつては国の定めによって化粧品の原料基準が厳格に定められていましたが、現在は廃止され、より柔軟な制度へと移行しました。この制度変更に伴い、日本化粧品工業連合会は「化粧品成分表示名称リスト」を独自に作成し、一般に公開するという動きがありました。

このリストは、消費者が化粧品を選ぶ際に、商品に含まれる成分を容易に理解できるように、表示名称を統一することを目的としています。これまで、同じ成分であってもメーカーによって呼び方が異なり、消費者が混乱することがありましたが、このリストによってその問題の解消を目指しています。

さらに、各化粧品メーカーは、国の基準に代わり、独自の厳しい安全基準を設け、原料の品質管理や安全性の確保に積極的に取り組んでいます。具体的には、原料の産地や製造工程の透明化、アレルギー物質の使用量の制限、製品の安全性試験の実施などが挙げられます。

このように、国の基準は廃止されましたが、業界全体として、これまで以上に安全で高品質な化粧品の提供を実現するために、様々な取り組みが進められています。

項目 詳細
旧制度 国の定めによる厳格な化粧品原料基準
廃止後の変化 – 基準廃止により柔軟な制度へ移行
– 日本化粧品工業連合会による「化粧品成分表示名称リスト」の作成・公開
– 各メーカー独自の厳しい安全基準設定
「化粧品成分表示名称リスト」の目的 – 消費者が化粧品成分を容易に理解できるように表示名称を統一
– 従来のメーカーによる成分表示の差異による混乱解消
メーカーの取り組み – 原料の産地や製造工程の透明化
– アレルギー物質の使用量の制限
– 製品安全性試験の実施
廃止後の影響 業界全体として、安全で高品質な化粧品の提供に向けた取り組みが強化