光と反応する化粧品にご用心！

光と反応する成分とは？

– 光と反応する成分とは？

太陽の光を浴びると、私たちは暖かさを感じ、心も晴れやかになりますよね。しかし、その一方で、私たちの肌は紫外線などの影響を受けて、ダメージを受けていることも事実です。実は、普段何気なく使っている化粧品の中にも、日光に反応して肌に悪影響を及ぼす成分が含まれていることがあります。

これらの成分は「光感作物質」と呼ばれ、紫外線を吸収すると、そのエネルギーを化学反応に変えてしまい、肌に刺激や炎症を引き起こすことがあります。具体的な症状としては、赤み、かゆみ、湿疹、色素沈着などが挙げられます。

光感作物質は、特定の種類の植物、香料、色素などに含まれており、例えば、レモンやオレンジなどの柑橘系に含まれる「リモネン」、ハーブの一種である「ベルガモット」から抽出される「ベルガプテン」などが代表的です。また、一部の医薬品やサプリメントにも含まれていることがあります。

これらの成分を含む製品を日中に使用する場合、使用後は必ず入念に洗い流し、外出時には日焼け止めを塗るなど、紫外線対策を徹底することが重要です。日頃から使用している化粧品の成分表示をよく確認し、光感作物質が含まれていないか、確認するようにしましょう。

光アレルギー性接触皮膚炎とは

– 光アレルギー性接触皮膚炎とは光アレルギー性接触皮膚炎とは、特定の物質を含む化粧品や日焼け止めなどを塗った後に日光を浴びることで発症する皮膚の炎症です。まるで日焼けのように赤くなったり、ヒリヒリしたりしますが、実際にはアレルギー反応の一種です。私たちの身の回りには、光に反応しやすい性質を持つ物質が数多く存在します。これらの物質は「光感作物質」と呼ばれ、一部の化粧品や香水、医薬品などに含まれています。通常これらの物質自体は無害ですが、紫外線に当たるとその構造が変化し、皮膚のタンパク質と結合してアレルゲンに変わることがあります。私たちの体は、本来、体内に侵入した異物（アレルゲン）から身を守るために免疫システムを備えています。しかし、光感作物質によって生まれたアレルゲンに対して、この免疫システムが過剰に反応してしまうことで、皮膚に炎症が起こります。これが光アレルギー性接触皮膚炎です。症状としては、日光に当たった部分が赤くなる、腫れる、かゆみが出る、水ぶくれができるなどが挙げられます。これらの症状は、日光に当たって数時間後、あるいは数日後に現れることもあります。光アレルギー性接触皮膚炎と日焼けは、どちらも日光を浴びることで皮膚に症状が現れるため、混同しやすいですが、原因や症状の出方に違いがあります。日焼けは、紫外線によって皮膚がダメージを受けることで起こるのに対し、光アレルギー性接触皮膚炎は、あくまでアレルギー反応である点が大きな違いです。また、光アレルギー性接触皮膚炎は、日焼けよりもかゆみが強く、水ぶくれができやすいという特徴があります。

誰でも反応するわけではない？

「光感作物質」という言葉を耳にしたことはありますか？これは、特定の物質と紫外線が組み合わることで、肌に炎症や湿疹などのアレルギー反応を引き起こす可能性のある物質のことです。

ただし、この光感作物質は、誰もが同じように反応するわけではありません。特定の物質に対してアレルギー体質を持っている人が、初めてその物質に触れた後、再び同じ物質と日光に接触することで、初めて症状が現れます。つまり、初めてその物質に触れたときは、特に問題は起こらないことが多いのです。

さらに注意が必要なのは、過去に同じ化粧品を使っていて問題がなかった場合でも、体質の変化によってある日突然、光感作物質に反応してしまう可能性もあるということです。体調や環境、年齢など、さまざまな要因によって私たちの体質は常に変化しています。そのため、今まで大丈夫だったからといって油断せずに、日頃から自分の肌と向き合い、異変を感じたらすぐに使用を中止することが大切です。

代表的な光感作物質

– 代表的な光感作物質

光感作物質とは、紫外線を浴びることで化学変化を起こし、皮膚に炎症や色素沈着などのアレルギー反応を引き起こす可能性のある物質のことです。

代表的な光感作物質としては、かつて日焼け止めなどに広く使われていたハロゲン化サリチルアニリドが挙げられます。しかし、ハロゲン化サリチルアニリドは、光アレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性があることが明らかになったため、現在では日本国内での使用は制限されています。

しかし、海外製の化粧品や医薬品には、まだハロゲン化サリチルアニリドが含まれている場合があります。海外旅行の際やお土産でもらった化粧品などを使用する場合は、成分表示をよく確認することが大切です。

ハロゲン化サリチルアニリド以外にも、光感作物質を含む可能性のある成分は数多く存在します。例えば、香料や色素、防腐剤などにも、光感作物質が含まれている場合があります。これらの成分は、製品の見た目や香りを良くしたり、品質を保つために使用されていますが、体質によっては、皮膚に刺激を与える可能性があります。

特に敏感肌の方は、化粧品や日焼け止めを選ぶ際には、成分表示をよく確認し、光感作物質が含まれている場合は使用を控えるようにしましょう。また、新しい化粧品を使う場合は、事前に腕の内側など、目立たない部分でパッチテストを行うことをおすすめします。

光アレルギーを防ぐには？

光アレルギー性皮膚炎は、文字通り、日光と特定の物質が反応して肌に炎症を起こしてしまう厄介な症状です。しかし、日ごろから少し注意を払えば、予防することも可能です。まずは、化粧品を選ぶ際に、成分表示をよく確認しましょう。中には、光と反応して症状を引き起こす、光感作物質が含まれているものがあります。特に、海外製の化粧品や、香料や色素を多く含む鮮やかな色の化粧品には注意が必要です。成分表示を確認して、少しでも不安を感じたら、使用を控えるか、腕の内側などでパッチテストを行いましょう。
また、日焼け止めを正しく使うことも、光アレルギーを防ぐ上で非常に大切です。日焼け止めは、紫外線から肌を守るだけでなく、光感作物質が肌に直接触れるのを防ぐ役割も果たします。外出の30分ほど前に、顔や首など、日光に当たる部分にムラなく塗るのが効果的です。汗をかいたり、タオルで拭いたりして日焼け止めが落ちてしまった場合は、こまめに塗り直すことを心がけましょう。日焼け止めは、SPF値が高いものだけでなく、PA値が高いものを選ぶようにしましょう。PA値は、肌の老化を促進する紫外線A波を防ぐ効果を表しており、＋が多いほど効果が高くなります。
これらのことに注意して、光アレルギーから肌を守りましょう。

もしも反応が出たら

– もしも反応が出たら

化粧品を使っていて、お肌に異変を感じたら、それはお肌からのSOSのサインかもしれません。特に、光感作物質を含む化粧品を使った後に、赤み、かゆみ、腫れ、水ぶくれなどの症状が出た場合は、すぐに使用を中止することが大切です。

「そのうち治るだろう」と自己判断で市販薬を使用したり、放置したりすると、症状が悪化し、後々までお肌に悩みを抱えることになりかねません。

お肌に異常を感じたら、自己判断はせずに、できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。皮膚科では、医師が症状に合わせて、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬などを処方してくれます。これらの薬は、炎症を抑えたり、かゆみを鎮めたりする効果があります。

また、原因物質を特定するために、パッチテストを受けることもあります。パッチテストは、疑わしい物質を皮膚に貼り、一定時間後に皮膚の反応を見る検査です。原因物質が特定できれば、それを避けることで、同様の症状の再発を防ぐことができます。