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パーマネントウェーブの秘密兵器:塩酸システイン

コスメを知りたい

先生、化粧品の成分表に『塩酸システイン』って書いてあるんですけど、これって何ですか?

コスメ研究家

いい質問だね。『塩酸システイン』は、髪の毛の形を変えるために使われる成分だよ。パーマ液に入っているって聞いたことがないかな?

コスメを知りたい

あー!パーマ液に入ってます!でも、どうして髪の毛の形を変えられるんですか?

コスメ研究家

私たちの髪の毛は、タンパク質でできているんだけど、『塩酸システイン』は、そのタンパク質の結合を切る力を持っているんだ。それで、髪の毛を思い通りに曲げたり、伸ばしたりできるんだよ。

パーマ液の主役

パーマ液の主役

– パーマ液の主役

「パーマ液」と聞いて、独特な香りとともに、髪が傷みそうというイメージを持つ方もいるかもしれません。確かに、強い薬剤であるがゆえ、使い方を間違えると髪に負担をかけてしまうこともあります。しかし、あの思い通りのウェーブヘアやサラサラのストレートヘアを実現するためには、実は緻密な化学の力が欠かせないのです。その立役者の一つが、今回ご紹介する「塩酸システイン」です。

私たちの髪は、主にケラチンというタンパク質でできています。このケラチンは、さらに多くのアミノ酸が鎖のようにつながって構成されています。そして、このアミノ酸同士をつなぐ重要な役割を担っているのが「シスチン結合」と呼ばれる結合です。 パーマをかけるためには、まずこのシスチン結合を切断し、髪の毛の形を一度リセットする必要があります。

ここで活躍するのが「塩酸システイン」です。塩酸システインは、シスチン結合を切断する働きを持つ成分です。パーマ液に含まれる塩酸システインが、髪の内部に浸透し、シスチン結合を切断することで、私たちの髪は自由自在に形を変えることができるようになるのです。

その後、ロッドで髪を巻きつけたり、ストレートアイロンで伸ばしたりすることで、希望通りのヘアスタイルを作っていきます。そして最後に、切断されたシスチン結合を再び結合させることで、新しい形を髪に記憶させるのです。

このように、パーマ液は、塩酸システインの働きによって、私たちの髪にウェーブやストレートヘアといった変身をもたらしてくれるのです。もちろん、髪への負担を最小限に抑えるためには、適切な施術とアフターケアが重要です。しかし、その裏側には、塩酸システインという物質の力強いサポートがあることを、ぜひ覚えておいてください。

成分 役割
塩酸システイン – シスチン結合を切断する
– 髪の形状をリセットする

アミノ酸の仲間

アミノ酸の仲間

– アミノ酸の仲間

私たちの体は、タンパク質という栄養素からできています。そのタンパク質を構成している最小単位がアミノ酸です。つまりアミノ酸は、体を作るための重要な材料といえます。

塩酸システインも、このアミノ酸の一種です。しかし、塩酸システインは、そのままではパーマ液としての効果を発揮しません。「還元型」であることが重要になります。

私たちの髪は、「シスチン」というアミノ酸が鎖のようにつながることで形作られています。塩酸システインは、このシスチンの結合を切る力を持っています。 つまり塩酸システインは、髪の形を決めている結合を一時的に解き放ち、自由自在に変えられる状態にするのです。これが、パーマがかかる仕組みです。

項目 説明
アミノ酸
  • 体のタンパク質を構成する最小単位
  • 体を作るための重要な材料
塩酸システイン
  • アミノ酸の一種
  • 還元型であることがパーマ液としての効果を発揮するのに重要
  • 髪の形を決めているシスチンの結合を切る力を持つ
パーマの仕組み 塩酸システインが髪の形を決めている結合を一時的に解き放ち、自由自在に変えられる状態にすることでパーマがかかる。

ウェーブ形成の仕組み

ウェーブ形成の仕組み

– ウェーブ形成の仕組み髪の毛は、主にタンパク質で構成されており、その中でもシスチン結合と呼ばれる結びつきが、髪の形状を維持する上で重要な役割を担っています。くせ毛の人は、このシスチン結合がねじれた状態で安定しているため、直毛の人と比べて、うねりやカールが出やすくなっています。パーマをかける際には、まず、このシスチン結合を一時的に切断する必要があります。そのために用いられるのが、1剤と呼ばれる、チオグリコール酸やシステインといった還元剤を含む溶液です。1剤を髪に塗布すると、シスチン結合が切断され、髪の毛は柔らかくなり、形が変わりやすくなります。次に、ロッドと呼ばれる円筒形の器具に髪を巻きつけたり、ストレートアイロンを用いて髪を挟んで伸ばしたりすることで、自分の好みの形に髪の毛を再構築していきます。この時、髪の毛は、シスチン結合が切断された状態なので、自由自在に形を変えることができます。最後に、過酸化水素水などを含む2剤を塗布します。2剤は酸化剤として働き、切断されたシスチン結合を再び結びつける役割を担います。これにより、ロッドで巻いた形やストレートアイロンで伸ばした形が固定され、パーマがかかります。このように、パーマは、薬剤を用いて髪の毛のシスチン結合をコントロールすることで、ウェーブヘアやストレートヘアを実現する技術です。

工程 使用薬剤 作用機序 髪の状態
1剤塗布 チオグリコール酸、システイン等 (還元剤) シスチン結合を切断 髪が柔らかくなり、形が変わりやすくなる
ロッド巻き付け、またはストレートアイロン 好みの形に髪の毛を再構築
2剤塗布 過酸化水素水等 (酸化剤) 切断されたシスチン結合を再結合 ロッドで巻いた形やストレートアイロンで伸ばした形が固定される

使い方に注意

使い方に注意

– 使い方に注意塩酸システインは、髪質改善やパーマ施術に使用される成分ですが、その扱いには注意が必要です。誤った使い方をしてしまうと、髪に大きな負担をかけてしまい、パサつきや切れ毛などの原因になりかねません。美容室では、お客様一人ひとりの髪の状態を見極め、最適な施術を行っています。具体的には、髪のダメージレベルや太さ、施術する部分によって薬剤の濃度を調整したり、放置時間を細かく設定したりしています。これらの微調整は、豊富な知識と経験を持つ美容師だからこそできることです。市販のパーマ剤にも塩酸システインが配合されているものがありますが、これらの商品は全ての人に同じように作用するわけではありません。そのため、自宅でパーマをかける場合は、説明書をよく読み、自分の髪質に合った商品を選ぶことが大切です。しかし、やはりプロの目で判断してもらう方が安心できるため、パーマをかける際は、できる限り美容室で施術を受けるようにしましょう。

成分 用途 注意点 美容室での施術 自宅での施術
塩酸システイン 髪質改善、パーマ 誤った使用は髪への負担大(パサつき、切れ毛の原因に) – 髪の状態に合わせた施術(薬剤濃度調整、放置時間調整)
– プロの知識と経験
– 説明書をよく読む
– 髪質に合った商品を選ぶ
– 可能であれば美容室での施術がおすすめ

まとめ

まとめ

毎日のスタイリングに欠かせないヘアスタイル。特に、パーマは手軽にイメージチェンジができるので、長年、多くの人々に愛され続けています。
では、あのくるくるとしたカールはどのようにして作られているのでしょうか?
その秘密は「塩酸システイン」という成分にあります。

塩酸システインは、パーマ液に配合されている成分の一つです。この成分が、私たちの髪の毛の内部で複雑な化学反応を起こすことで、髪の毛の形を変えることを可能にしているのです。
私たちの髪の毛は、主にケラチンというタンパク質で構成されています。このケラチンは、さらに「シスチン結合」と呼ばれる結びつきによって強固に結びついています。
塩酸システインは、このシスチン結合を切断し、再び結合させる力を持っています。

パーマをかける際に、美容師さんはロッドと呼ばれる円筒状のものに髪の毛を巻きつけますよね。
そして、そこにパーマ液を塗布することで、まず塩酸システインがシスチン結合を切断します。
この時、髪の毛は柔らかく、形が変わりやすい状態になっています。
その後、別の薬剤を使って再結合させることで、ロッドの形に沿って、髪の毛が固定されるのです。
こうして、私たちが望むカールやウェーブが生まれるのです。

しかし、塩酸システインは強力な成分であるがゆえに、使い方を誤ると髪の毛にダメージを与えてしまう可能性もあります。
パーマや縮毛矯正を繰り返すと、髪の毛がパサついたり、切れやすくなったりするのは、このためです。

美しく健康な髪を保つためには、パーマやカラーリングの頻度を控える、施術後はトリートメントでしっかりとケアをするなど、日頃から髪の毛を労わることが大切です。

成分 効果 注意点
塩酸システイン
  • パーマ液に配合されている
  • 髪の毛のシスチン結合を切断し、再結合させることでカールを作る
  • 強力な成分のため、使いすぎると髪にダメージを与える可能性がある
  • パーマや縮毛矯正の頻度を控える
  • 施術後はトリートメントでケアをする