コスメを知りたい
先生、「エラストマー」って化粧品に入っている成分なんですよね?どんな働きをするものなんですか?
コスメ研究家
実は、「エラストマー」は化粧品の成分として配合されているわけではなくて、容器や部品に使われている素材なんだよ。
コスメを知りたい
えー!そうなんですか?成分リストに書いてあったので、てっきりお肌に良い成分なのかと思っていました!
コスメ研究家
成分リストには、容器や部品に使われている素材も記載しないといけない決まりになっているんだよ。だから「エラストマー」を見かけたら、容器に使われているんだな、と思ってみてね。
弾力性を持つ高分子化合物
– 弾力性を持つ高分子化合物
弾力性を持つ高分子化合物は、一般的にエラストマーと呼ばれ、まるでゴムのように伸び縮みする性質を持っています。 この優れた伸縮性は、分子構造に秘密があります。エラストマーを構成する高分子は、通常は糸が絡み合ったような状態をしています。ここに力を加えると、高分子は引き伸ばされて直線状に近くなりますが、力を抜くと元の絡み合った状態に戻ろうとするため、結果として元の形状に戻るのです。
この性質は、私たちの身の回りにある様々な製品に活用されています。例えば、誰もが一度は手にしたことがある輪ゴム。これはエラストマーの伸縮性を活かした代表的な例と言えるでしょう。また、自動車や自転車に欠かせないタイヤにもエラストマーが使われています。タイヤは、走行中の振動を吸収し、安定した走行を実現するために、高い弾力性と耐久性が求められます。
このように、エラストマーは、その優れた伸縮性と形状復元性から、私たちの生活に欠かせない素材として幅広く利用されています。
エラストマー(弾力性を持つ高分子化合物) | 特徴 | 用途例 |
---|---|---|
概要 | ゴムのように伸び縮みする性質を持つ高分子化合物 | 輪ゴム、タイヤなど |
性質 | 分子構造が糸が絡み合ったような状態 力を加えると直線状になり、力を抜くと元の状態に戻る |
高い弾力性と耐久性を持つ |
化粧品への配合は…?
– 化粧品への配合は…?
化粧品と聞くと、肌に直接塗布して美しくする、美容成分や保湿成分を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドといった言葉は、誰もが一度は耳にしたことがあるはずです。では、エラストマーはというと…?実は、エラストマーは化粧品そのものに配合される成分ではありません。
意外に思った方もいるかもしれません。エラストマーは、容器やアプリケーター、パフといった、化粧品を構成する部品として活躍しているのです。例えば、口紅やリップグロスを唇に塗布するためのアプリケーター、ファンデーションを肌に均一に伸ばすためのパフ、マスカラをまつげに塗布するためのブラシ部分などに使われています。これらの部品に求められるのは、肌へのやさしさ、使い心地の良さ、そして衛生面です。エラストマーは、これらの条件を満たす優れた素材として、化粧品業界で広く採用されています。
柔らかく弾力性があるため、肌に心地よくフィットし、滑らかな使い心地を実現します。また、耐久性にも優れているため、繰り返し使用しても劣化しにくく、長く愛用することができます。さらに、耐薬品性が高いため、化粧品の成分に影響を受けにくく、変色や劣化を防ぐことができます。このように、エラストマーは、私たちが普段何気なく使用している化粧品の影ながら、その使い心地や品質を支える重要な役割を担っているのです。
項目 | 内容 |
---|---|
エラストマーの化粧品への配合 | 化粧品そのものに配合される成分ではない |
エラストマーの用途 | 容器、アプリケーター、パフといった化粧品を構成する部品 |
エラストマーの特徴 | 柔らかく弾力性がある、肌へのやさしさ、使い心地の良さ、衛生面、耐久性、耐薬品性 |
エラストマーのメリット | 肌に心地よくフィット、滑らかな使い心地、繰り返し使用可能、化粧品の成分に影響を受けにくい、変色や劣化を防ぐ |
様々な場所で活躍
– 様々な場所で活躍
弾力性や柔軟性に優れた素材として知られるエラストマーは、実は私たちの身近にある化粧品容器の様々な場面で活躍しています。その活用範囲は、エアゾール製品、マスカラ、スポイト容器など、多岐に渡ります。
例えば、ヘアsprayやファンデーションのスプレーなど、エアゾール製品では、エラストマーは内容物を噴射するために重要な役割を担うポンプやノズル部分に使用されています。エラストマーの柔軟性が、内容物を細かい霧状にして均一に噴射することを可能にし、使い心地の良さを実現しています。
一方、マスカラでは、ブラシ部分にエラストマーが採用されています。まつ毛の一本一本をしっかりと捉え、ダマになることなく均一に液を塗布できるのは、エラストマーの弾力性と形状保持性によるものです。
また、美容液やファンデーションなど、スポイト容器にもエラストマーは欠かせません。スポイト部分がエラストマーでできていることで、軽い力で正確な量の液体を抽出することが可能になっています。
このように、エラストマーは化粧品容器の様々な場所で、その特性を生かして私たちの快適な使い心地を支えているのです。
化粧品容器 | エラストマーの用途 | エラストマーの特性によるメリット |
---|---|---|
エアゾール製品 (ヘアspray、ファンデーションスプレーなど) | ポンプ、ノズル部分 | 内容物を細かい霧状にして均一に噴射、使い心地向上 |
マスカラ | ブラシ部分 | まつ毛を一本一本捉え、ダマなく均一に塗布 |
スポイト容器 (美容液、ファンデーションなど) | スポイト部分 | 軽い力で正確な量の液体を抽出 |
環境への配慮も
近年、環境問題への意識の高まりから、あらゆる分野において環境への負荷を低減する取り組みが求められています。化粧品業界も例外ではなく、製品そのものだけでなく、容器や包装にも環境への配慮が求められるようになっています。
そうした中、注目を集めているのが、リサイクル可能な素材です。その中でも、熱可塑性エラストマーは、環境負荷の低減と優れた機能性を両立できる素材として期待されています。
熱可塑性エラストマーは、従来のプラスチックとは異なり、繰り返し加熱・冷却しても品質が劣化しにくいという特徴があります。そのため、使用後に回収して再び原料として利用することができ、資源の有効活用に貢献します。また、燃焼時に有害な物質を発生しにくいことも、環境負荷の低減に繋がる点です。
さらに、熱可塑性エラストマーは柔軟性や加工性に優れているため、複雑な形状の容器にも成形することができます。そのため、デザイン性や機能性に優れた容器を開発することができ、消費者のニーズに応えることも可能です。
このように、熱可塑性エラストマーは、環境への配慮と製品の品質向上を両立できる素材として、化粧品容器の新たな可能性を広げています。
項目 | 内容 |
---|---|
背景 | – 環境問題への意識の高まり – 化粧品業界でも環境負荷低減への取り組みが求められている |
注目されている素材 | 熱可塑性エラストマー |
メリット | – 繰り返し加熱・冷却しても品質が劣化しないため、リサイクルが可能 – 燃焼時に有害な物質を発生しにくい – 柔軟性・加工性に優れており、複雑な形状の容器にも成形可能 |
結論 | 環境への配慮と製品の品質向上を両立できる素材として、化粧品容器の新たな可能性を広げている |
品質と使い心地を支える
私たちは毎日何気なく化粧品を使っていますが、その品質の高さや使い心地の良さを支えているのは、目に見えない技術かもしれません。その一つに、”エラストマー”と呼ばれる素材の活躍があります。
エラストマーは、ゴムのように弾力性に富んだ高分子材料です。化粧品においては、その特性を活かして、様々な場面で力を発揮しています。
例えば、口紅やファンデーションなどの容器に使われているのをご存知でしょうか? エラストマーは、外部からの衝撃を吸収するクッションの役割を果たし、内容物を衝撃から守ってくれます。また、密閉性が高いという特性も持ち合わせており、容器の隙間を埋めることで、空気や湿気から内容物を守り、品質の劣化を防ぐ効果も期待できます。
さらに、エラストマーは、使い心地の向上にも貢献しています。マスカラブラシに使われているエラストマーは、適度なしなりと弾力性を生み出し、まつ毛を一本一本美しく仕上げる繊細な動きを可能にします。また、スポイトタイプの美容液に使われているエラストマーは、押した時に滑らかで心地よい感触を与えてくれます。
このように、エラストマーは、化粧品の品質維持と使い心地の向上、両方の面から私たちを支えてくれているのです。
用途 | 効果 |
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口紅やファンデーションなどの容器 | ・ 衝撃吸収材として、内容物を守る ・ 密閉性を高め、空気や湿気から内容物を守り、品質劣化を防ぐ |
マスカラブラシ | ・ 適度なしなりと弾力性で、まつ毛を美しく仕上げる |
スポイトタイプの美容液 | ・ 押した時に滑らかで心地よい感触を与える |